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LMS統合とは?乱立した複数のLMSを一本化するメリットと進め方を解説

1 日前
読了時間: 30分

「営業部はA社のLMS、人事部はB社のLMS」というように、部署ごとに異なるLMS(学習管理システム)を契約・運用している企業は少なくありません。

部署ごとに最適なツールを選んできた結果、全社の学習データが見えない、受講者が複数のシステムを使い分けなければならないといった課題が生まれています。


こうした課題を解決する方法が「LMS統合」です。

本記事では、LMS統合の意味や、LMSが乱立する原因と課題、統合のメリットと具体的な進め方を解説します。


部署ごとに乱立したLMSを一本化したデンカ株式会社様をはじめ、3社の成功事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


AI搭載の多機能型LMS「SmartSkill Campus」は、社内に乱立したLMSの統合を通じて、人財戦略の高度化や、人的資本経営の実現を支援しています。

サービスの詳細や機能については、公式ページをご覧ください。







目次





LMS統合とは?「統合」が指す2つの意味       


「LMS統合」という言葉は、使われる場面によって指す内容が異なります。

社内に複数あるLMSを1つにまとめることを指す場合もあれば、LMSを人事システムなどの他システムとつなぐことを指す場合もあります。

本章では、LMS統合が指す2つの意味を整理します。



部署ごとに乱立した複数のLMSを一本化すること


1つ目の意味は、部署ごとに導入された複数のLMSを、全社で共通の1つのLMSにまとめることです。

営業部、人事部、品質管理部など、それぞれの部署が自部署の研修に合わせてLMSを選んできた結果、全社で把握・管理されないまま複数のLMSが並存している状態を、本記事では「LMSの乱立」と呼びます。


なお、セキュリティの要件や対象者の違いから、全社の判断として意図的にシステムを分けている場合は、ここでいう乱立にはあたりません。

課題となるのは、誰も全体を把握できていない「意図しない乱立」です。


LMS統合では、乱立したLMSに分散している教材や受講者情報、学習履歴を1つの基盤に集約します。

受講者はどの研修も1つのシステムから受けられるようになり、人事部門は全社の学習状況を一か所で把握できるようになります。



人事システムなど他システムとLMSを連携させること


2つ目の意味は、LMSを人事システムやタレントマネジメントシステムなど、社内の他システムと連携させることです。

本記事では1つ目の「一本化」を中心に解説しますが、統合を考えるうえでは、この連携も欠かせない視点です。


たとえば、人事システムから社員の所属や役職の情報をLMSへ自動で取り込めば、異動や入退社のたびに受講者情報を手作業で更新する必要がなくなります。

また、LMSの受講履歴をタレントマネジメントシステムへ連携すれば、スキルや評価の情報と学習データを組み合わせて、育成施策を検討できるようになります。


「一本化」と「連携」は、別々の取り組みではありません。

乱立したLMSを一本化するときに、他システムとの連携もあわせて設計しておくことで、全社の学習データを人事施策に活かせるようになります。






社内でLMSが乱立する主な原因            



そもそも、なぜ1つの会社の中でLMSが乱立してしまうのでしょうか。

その多くは、どこかの部署の判断が誤っていたわけではなく、それぞれの部署が自部署の課題に合わせて合理的に選んできた結果です。

本章では、社内でLMSが乱立する主な原因を3つの観点から整理します。



部署ごとに目的に合わせて個別に導入してきた


LMSが乱立する最も多い原因は、各部署が自部署の研修の目的に合わせて、個別にLMSを導入してきたことです。


営業部は商品知識や営業スキルの研修のため、品質管理部門は安全教育や資格管理のため、人事部は階層別研修やコンプライアンス研修のためにと、目的ごとに最適なツールが選ばれてきました。

近年はクラウド型のLMSが増え、部署単位でも手軽に契約できるようになったことも、乱立を後押ししています。


導入したときは、それぞれの部署にとって最適な選択だったはずですが、全社の視点で見ると、似た機能を持つシステムを複数の部署が別々に契約している状態になります。

部署ごとの判断が積み重なった結果として乱立が生まれるため、多くの企業では、気づいたときにはすでに複数のLMSが並存しています。



eラーニング、集合研修、社内試験など、研修の種類ごとにシステムが分かれている


研修の種類ごとにシステムが分かれていることも、乱立の原因になります。

たとえば、全社員向けのeラーニングはLMSで配信し、集合研修の申し込みは別の申込システムやメールで受け付け、社内試験は紙や別のテストツールで実施する、といったケースです。

さらに、業務に必須の研修と、社員が自主的に学ぶ自己啓発のeラーニングを、別々のシステムで運用している企業もあります。


研修の種類が増えるたびに、全体を設計しないままツールを追加してきた結果、どの研修がどのシステムにあるのかがわかりにくい状態になってしまいます。


もちろん、たとえば社内試験のように厳しいセキュリティが求められる研修を、あえて別の基盤で運用するのは意図した判断です。

課題となるのは、全体を見渡さないまま分かれてしまい、同じ社員の学習記録がシステムごとに散らばっている状態です。



全社の教育システムを管轄する部署が決まっていない


全社の教育システムを管轄する部署が決まっていないことも、乱立を招く原因の一つです。

人事部門は全社研修を、各事業部門は専門研修を、情報システム部門はシステムの保守を担当するといったように、教育とシステムの責任が分かれていると、全社でどのLMSが使われているのかを把握している人がいない状態になりがちです。


管轄する部署がなければ、新たにLMSを導入しようとする部署があっても、既存のLMSを使えないか検討する機会がありません。

その結果、同じような機能のシステムが重ねて導入されてしまいます。


LMSの統合を進めるには、まず全社の教育システムに責任を持つ部署や担当者を決め、導入や契約の窓口を一本化することが出発点になります。




LMSが乱立したままだと起きる4つの課題       



部署ごとにLMSが乱立した状態を放置すると、経営から人事部門、現場の上司、そして受講者まで、それぞれの立場に影響が及びます。

一つひとつは小さな不便に見えても、積み重なると大きなムダやリスクにつながります。

本章では、LMSが乱立したままだと起きる4つの課題を、全社の視点から順に解説します。



学習履歴やナレッジが部署ごとに分散し、全社の学習状況が見えない


LMSが乱立すると、学習履歴が部署ごとのシステムに分散し、全社の学習状況が見えなくなります。

人事部門が全社の受講状況を確認しようとしても、各部署にデータの提出を依頼し、形式の異なるデータをExcelで取りまとめなければなりません。


ナレッジの面でも同じことが起こります。

ある部署で作られた優れた研修教材があっても、他の部署はその存在を知らず、似た教材を一から作り直すといったムダが生まれます。

部署ごとに蓄積されたノウハウが、全社の資産として活かされない状態です。


さらに、部署ごとの受講率や研修効果を同じ基準で比較できないため、全社としてどの育成施策が効果を上げているのかを検証することも難しくなります。

人的資本の情報開示でよく用いられる、従業員1人あたりの研修時間といった指標を、全社で正確に集計しにくい点も、見過ごせない課題です。



費用・運用工数・システム連携の負担が重複する


部署ごとに別々のLMSを契約していると、似た機能を持つシステムにそれぞれ利用料を支払うことになり、ライセンス費用や保守費用が重複します。

部署ごとの予算で契約していると、全社でいくら支払っているのかを把握できていないケースも少なくありません。


費用だけでなく、運用工数も重複します。

受講者の登録や異動時の情報更新、受講状況の集計といった作業を、部署ごとの担当者がそれぞれのシステムで行わなければならず、運用のノウハウも担当者個人に依存しがちです。


さらに、人事システムやタレントマネジメントシステムとの連携も、LMSの数だけ個別の開発が必要になります。

連携をあきらめて手作業でのデータ取り込みに頼るケースも多く、新たなシステムを導入する際の拡張のハードルも上がります。



異動した社員がこれまで何を学んできたのかがわからない


LMSが部署ごとに分かれていると、社員が部署を異動したときに、それまでの学習履歴が前の部署のシステムに残ったままになります。

異動先の上司や教育担当者は、その社員がこれまでどの研修を受け、どのような知識やスキルを身につけてきたのかを確認できません。


そのため、すでに受けた研修を重ねて受講させてしまったり、反対に必要な研修が抜け落ちたりすることがあります。

前の部署で積み重ねてきた学びが十分に活かされず、育成の手間も二重にかかってしまいます。


異動や配置転換が多い企業ほど、この問題は深刻です。

社員一人ひとりの学びを部署をまたいで把握できないことは、キャリアに沿った計画的な育成を難しくする要因になります。



複数のシステムの使い分けが、受講者の学習意欲を下げる


研修の種類や主催する部署によって、受講者は複数のシステムを使い分けなければなりません。

こうした小さな手間の積み重ねが、受講者の学習意欲を少しずつ下げていきます。


システムごとに異なるIDやパスワードを思い出したり、どこから受講すればよいのかを探したりする手間は、学び始める前の段階で受講者の気持ちをそいでしまいます。


また、学習の記録が複数のシステムに分かれていると、受講者は自分がこれまでどれだけ学んできたのかを実感できません。

成長の手応えを得られなければ、自ら進んで学ぼうとする意欲は育ちにくくなります。


その結果、必須研修は期限間際にこなすだけになり、自己啓発の講座にはほとんどアクセスされないといった状態に陥りがちです。

研修の内容がどれだけ充実していても、学びたいという気持ちが生まれなければ、学びは定着しません。




LMSを統合する4つのメリット            



乱立したLMSを統合すると、乱立によって生まれていた不便やムダを解消できるだけでなく、学習データを人材戦略に活かす基盤も整います。

本章では、経営から人事部門、現場の上司、そして受講者まで、それぞれの立場にとってのLMS統合のメリットを解説します。



全社の学習データを一元化し、データにもとづく判断ができる


LMSを統合すると、部署ごとに分散していた学習データが1か所に集まり、全社の学習状況を同じ基準で比較・分析できるようになります。

データの集計に追われることなく、分析の精度も高まります。


さらに、統合したLMSを人事システムやタレントマネジメントシステムと連携させれば、社員の所属やスキル、キャリアの情報と学習データを組み合わせて、一人ひとりに合った学びを届けることも可能です。


従業員1人あたりの研修時間など、人的資本の情報開示で用いられる指標も全社で正確に集計でき、開示の根拠となるデータをそろえられます。


これまで勘や経験に頼りがちだった育成施策の判断を、定量的なデータにもとづいて行えるようになることこそ、LMS統合の最も大きな価値です。




【関連記事のご紹介】

人的資本に関するデータの活用方法については「人的資本のデータ活用とは?経営に活かす指標と進め方を解説」で詳しく紹介しています。

ぜひご参考ください。



費用と運用工数を削減し、システム連携やセキュリティも1か所で管理できる


複数のLMSを1つにまとめることで、部署ごとに重複していたライセンス費用や保守費用を削減できます。

全社で1つの契約にすることで、教育にかかる費用の全体像も把握しやすくなります。


受講者の登録や異動時の情報更新、受講状況の集計といった作業も1つのシステムで済むため、部署ごとに同じ作業を繰り返す必要がなくなります。

操作方法が統一されることで、運用のノウハウを部署の垣根を越えて共有でき、属人化も防げます。


人事システムやタレントマネジメントシステムとの連携も、1つのLMSとの間で設計すればよくなり、個別開発の負担が減ります。

IPアドレスによるアクセス制限や多要素認証(MFA)といったセキュリティ対策も、全社で同じ水準にそろえられます。




異動しても学習履歴が引き継がれ、継続的な育成ができる


LMSを統合すると、社員が部署を異動しても、それまでの学習履歴は同じシステムに残り続けます。

異動先の上司や教育担当者は、その社員がこれまでどの研修を受け、どのような知識やスキルを身につけてきたのかを、異動したその日から確認できます。


これにより、すでに受けた研修を重ねて割り当てたり、必要な研修が抜け落ちたりすることを防げます。

前の部署での学びを踏まえて、次に必要な研修を的確に選べるようになり、育成の計画も立てやすくなります。


部署が変わっても学びの記録が途切れないことで、異動や配置転換を前提とした長期的な育成も可能になります。

社員一人ひとりのキャリアに沿って、部署をまたいだ継続的な育成を実現できる点は、統合されたLMSならではのメリットです。




学習の入口が1つになり、受講者が自分の学びの軌跡を確認できる


LMSを統合すると、受講者は必要な学びを1つのシステムから受けられるようになります。

「この研修はどのシステムで受けるのか」と迷うことがなくなり、学びたいと思ったときにすぐ学び始められます。

シングルサインオンに対応したLMSであれば、社内で使っているIDでそのままログインでき、手間はさらに少なくなります。


また、これまでの受講履歴やテストの結果が1つのシステムにまとまるため、受講者は自分がどれだけ学んできたのかを、いつでも振り返ることができます。


学びの積み重ねが目に見えることで、受講者は自分の成長を実感でき、次の学びへの意欲が生まれます。

必須研修をこなすだけでなく、自ら進んで学ぶ姿勢を育てられることも、受講者にとって大きなメリットです。




LMS統合を実現する2つの方法            


LMS統合を実現するには、大きく分けて2つの方法があります。

社内に複数あるLMSを1つにまとめる方法と、LMSを人事システムや外部の学習サービスとつなぐ方法です。

本章では、それぞれの方法の考え方と進め方を解説します。

実際には、2つを組み合わせて進めるのが効果的です。



方法1 複数のLMSを1つのLMSに集約する


1つ目の方法は、社内に複数あるLMSを1つのLMSに集約することです。

集約先の選び方には、既存のLMSのうち最も利用者が多いものや機能が充実しているものに寄せる方法と、新たなLMSを導入してすべてを移す方法の2つがあります。


既存のLMSに寄せる方法は、受講者の一部がすでに操作に慣れているため、移行の負担を抑えられます。ただし、そのLMSが他の部署の研修に必要な機能を備えているかの確認が欠かせません。


新たなLMSを導入する方法は、各部署の研修に必要な機能や、他システムとの連携を一から設計し直せる点が利点です。この場合は、既存のLMSから新しいLMSへの乗り換え、つまりリプレイスを伴う統合になります。


【関連記事のご紹介】

新しいLMSへの乗り換えの手順については「LMSのリプレイスとは?失敗しないためのポイント・選び方・実際の成功事例を徹底解説!」で詳しく紹介しています。

ぜひご参考ください。




方法2 API連携で人事システムや外部の学習サービスとつなぐ


2つ目の方法は、API連携によって、LMSを人事システムやタレントマネジメントシステム、外部の学習サービスとつなぐことです。

APIとは、システム同士がデータをやり取りするための仕組みを指します。


人事システムと連携すれば、社員の所属や役職の情報がLMSに自動で反映され、受講者情報を手作業で更新する必要がなくなります。

タレントマネジメントシステムに受講履歴を連携すれば、スキルや評価の情報と学習データを組み合わせた育成施策の検討が可能です。


また、部署ごとに外部のオンライン学習サービスを契約している場合は、そのサービスの講座や受講履歴をLMSに取り込むことで、社外の学びも含めて一元管理できます。

乱立したLMSを1つに集約したうえで、このAPI連携を組み合わせることで、統合の効果を最大限に高められます。




LMS統合の進め方5ステップ             



LMS統合は、システムを1つにまとめれば終わりではありません。

複数の部署が関わるからこそ、事前の洗い出しや合意形成、データの整理を丁寧に進める必要があります。

本章では、複数のLMSを抱える企業が統合を進めるための手順を、5つのステップに分けて解説します。



STEP1 部署ごとのLMSと利用状況を洗い出す


最初に、社内で使われているLMSをすべて洗い出します。

部署ごとの予算で契約しているLMSは、人事部門が把握していないこともあるため、各部署へのヒアリングやアンケートで漏れなく確認しましょう。


洗い出す項目は、LMSの名称と提供会社、利用している部署と利用者数、契約期間と費用、主な用途、登録されている教材の数、他システムとの連携の有無などです。

あわせて、各LMSが実際にどの程度使われているのか、ログイン率や受講率といった利用状況も確認しておくと、統合の優先順位を判断しやすくなります。


この段階で、各部署の担当者がそのLMSのどこに満足し、どこに不満を感じているのかも聞いておくと、統合後のLMSに求める要件を整理する際の材料になります。



STEP2 統合の範囲と優先順位を決める


次に、統合の目的を明確にしたうえで、どのLMSを統合の対象にするのか、どの順番で進めるのかを決めます。

目的が「全社の学習データの活用」なのか、「費用の削減」なのかによって、統合の範囲や優先すべき要件は変わります。


たとえば、全社の学習データを人事施策に活かしたいのであれば、人事システムやタレントマネジメントシステムとの連携を前提に、できるだけ多くのLMSを統合の対象にするのが望ましいでしょう。


すべてのLMSを一度に統合するのが難しい場合は、利用者が多いLMSや、全社共通の必須研修を扱うLMSから優先して進めます。

専門性の高い研修を扱うLMSなど、統合に時間がかかりそうなものは後の段階に回すなど、無理のない計画を立てることが大切です。


なお、統合はすべてのシステムを必ず1つにすることではありません。

冒頭で触れたとおり、厳しいセキュリティが求められる研修などは、あえて基盤を分けるという判断もあります。



STEP3 関係部署と統合後の運用ルールをすり合わせる


統合の範囲が決まったら、関係する部署と統合後の運用ルールをすり合わせます。

各部署はそれぞれのLMSで独自の運用を続けてきたため、統合によって「これまでのやり方ができなくなるのでは」と不安を感じることがあります。


すり合わせておきたいのは、誰がどの研修や受講者情報を管理するのかという権限、教材を登録・公開するまでの手順、必須研修の受講期限や督促の方法、問い合わせの窓口などです。

全社で統一するルールと、部署ごとの裁量に任せるルールを分けて整理すると、合意を得やすくなります。

そのうえで、決めたルールが形骸化しないよう、権限による閲覧範囲の制限などを、システムの機能で確実に制御できるLMSで運用すると安心です。


あわせて、集計作業が減るといった各部署にとってのメリットを具体的に伝えると、協力を得やすくなります。




STEP4 重複するコンテンツと受講者データを整理する


移行の前に、各LMSに登録されているコンテンツと受講者データを整理します。

複数のLMSを統合する場合、同じテーマの教材が複数の部署で別々に作られていたり、同じ社員が複数のLMSに異なるIDで登録されていたりすることがよくあります。


コンテンツについては、内容が重複している教材や、長く使われていない教材、情報が古くなった教材を洗い出し、移行するもの、統合するもの、廃止するものに分けましょう。


受講者データについては、社員番号などの共通のキーをもとに、複数のLMSにまたがる同一人物の情報を一つにまとめます。

過去の受講履歴を新しいLMSへ引き継ぐ場合は、データの形式をそろえておく必要もあります。


この整理を丁寧に行うことが、統合後のデータ活用の精度を左右します。




STEP5 契約期間に合わせて段階的に移行する


最後に、各LMSの契約期間を踏まえて、段階的に移行を進めます。

複数のLMSを同時に解約・移行すると、違約金が発生したり、移行作業が集中して現場が混乱したりするおそれがあります。

契約の更新時期が近いLMSから順番に移行すれば、費用のムダを抑えながら無理なく統合を進められます。


移行の際は、受講者への周知も重要です。

新しいLMSの使い方やログイン方法、旧LMSの利用終了日を、移行前に余裕を持って案内しましょう。

操作説明会を開いたり、受講者向けのガイドを用意したりすると、スムーズな移行につながります。


旧LMSの利用を終了する前には、必要なデータがすべて新しいLMSに移っているかを確認します。

移行が完了したら、利用状況を確認しながら、運用ルールを継続的に見直していきましょう。




LMS統合を成功させる4つのポイント         



LMS統合を進めても、統合後に使われなければ意味がありません。

統合を「システムをまとめただけ」で終わらせず、全社の学びを支える基盤として定着させるには、押さえておきたいポイントがあります。

本章では、LMS統合を成功させるための4つのポイントを紹介します。



部署ごとの運用の自由度を残す


LMSを統合すると、全社で同じシステムを使うことになりますが、各部署の運用の自由度まで奪ってしまわないことが大切です。

部署ごとに研修の目的や対象者は異なるため、すべてを全社で統一しようとすると、各部署の研修の質が下がるおそれがあります。


たとえば、全社共通の必須研修は人事部門が管理し、専門的な研修は各部署の担当者が自ら教材を登録・管理できるようにする、といった役割分担が考えられます。

部署ごとに管理できる範囲を分けられる権限設計にすれば、他部署の受講者情報が見えることもなく、安心して運用できます。


各部署が自分たちの研修を自分たちで運用できる仕組みを残すことで、統合への抵抗感が和らぎ、統合後も各部署が主体的にLMSを活用するようになります。




他システムとの連携は計画の段階から設計する


LMS統合の効果を高めるには、人事システムやタレントマネジメントシステムとの連携を、統合の計画の段階から設計しておくことが重要です。

統合が終わってから連携を検討すると、必要なデータの項目が足りなかったり、統合後のLMSが連携に対応していなかったりして、追加の開発や作業が発生するおそれがあります。


計画の段階で、どのシステムから受講者情報を取り込むのか、どのシステムへ受講履歴を連携するのか、どの項目をキーにしてデータを結びつけるのかを決めておきましょう。


あわせて、シングルサインオンで社内の認証基盤とつなぐのか、外部の学習サービスの講座を取り込むのかといった点も整理しておくと、統合後すぐにデータを活用できる環境が整います。

連携を前提に設計することが、統合を「データ活用の基盤づくり」につなげる鍵です。




日常的にPCを使わない社員にも配慮する


統合したLMSは全社員が使うシステムになるため、日常的にPCを使わない社員にも配慮した設計が欠かせません。

製造現場や店舗、営業の外回りなど、業務中にPCの前に座る時間が少ない社員にとって、操作が複雑なLMSは学習の大きな障壁になります。


配慮のポイントは、スマートフォンから手軽に受講できること、ボタンの数や画面の情報量を抑え、直感的に操作できることです。


AI搭載 多機能型LMS「SmartSkill Campus」をご活用いただいているデンカ株式会社様も、日常的にPCを使わない製造現場の社員のために、ボタンの数や配色を抑えたシンプルな画面を採用しています。

また、株式会社大分銀行様ではアクセスの8割以上がスマートフォンからとなっています。


統合先のLMSを選ぶ際は、デスクワークの社員だけでなく、現場で働く社員の視点でも操作性を確認しましょう。




統合を機にコンテンツを精査する


LMSを統合するときは、すべての教材をそのまま移すのではなく、統合を機にコンテンツを精査することが大切です。


複数のLMSに蓄積された教材の中には、内容が重複しているもの、情報が古くなったもの、ほとんど受講されていないものが少なくありません。

これらをそのまま移すと、受講者は膨大な講座の中から必要な研修を探さなければならず、かえって使いにくいLMSになってしまいます。


実際に、AI搭載 多機能型LMS「SmartSkill Campus」をご活用いただいている住友生命保険相互会社の営業教育部様では、LMSの切り替えにあたって、約5,000本あったコンテンツを約1,600本に精査されました。

受講者にとって本当に必要な講座に絞り込むことで、学ぶべき内容がわかりやすくなり、運用の負担も軽くなります。

統合は、教材を見直す絶好の機会です。






統合先のLMSに求められる4つの条件         



統合の成否は、統合先となるLMSの選び方に大きく左右されます。

一般的なLMS選びの観点に加えて、複数の部署の研修を1つにまとめるからこそ確認しておきたい条件があります。

本章では、乱立したLMSの統合先として、LMSに求められる4つの条件を紹介します。



部署ごとに管理範囲を分けられる権限設計


統合先のLMSに最も求められるのが、部署ごとに管理範囲を分けられる権限設計です。

全社で1つのLMSを使う以上、各部署の担当者が自部署の研修や受講者だけを管理でき、他部署の情報は閲覧できない仕組みが欠かせません。


権限を細かく設定できないLMSでは、全社の受講者情報を見られる担当者が増えてしまい、個人情報の管理に不安が残ります。

反対に、人事部門だけがすべてを管理する体制では、各部署の研修の登録や変更のたびに人事部門へ依頼が集中し、運用が回らなくなります。


管理者の権限を役割ごとに分けられるか、管理できる組織の範囲を設定できるか、教材の登録と受講者情報の管理を別々の担当者に任せられるかを、選定の段階で確認しておきましょう。




eラーニングから集合研修、試験まで1つで扱える多機能性


乱立したLMSを1つにまとめるには、各部署がそれぞれのLMSで行っていた研修を、統合先のLMSですべて実施できる必要があります。

eラーニングの配信だけでなく、動画の視聴、テストやアンケート、課題の提出、集合研修の申し込みや出欠の管理まで、1つのLMSで扱えるかを確認しましょう。


特に、研修の種類ごとにシステムが分かれていた企業では、集合研修や社内試験の機能が不足していると、結局は別のシステムを使い続けることになり、統合の効果が薄れてしまいます。


eラーニングによる事前学習と集合研修を組み合わせたブレンディング研修や、WEB会議システムを使ったオンライン研修に対応できるかも、確認しておきたいポイントです。




人事システムやタレントマネジメントシステムとの連携実績


統合の効果を高めるには、統合先のLMSが人事システムやタレントマネジメントシステムと連携できることが重要です。

連携できるかどうかだけでなく、実際の連携実績があるかを確認しましょう。


自社で使っている人事システムやタレントマネジメントシステムとの連携実績があれば、仕様の検討や開発にかかる期間を短縮でき、統合後すぐにデータを活用できる可能性が高まります。

連携実績がない場合でも、API連携に対応していれば、自社の要件に合わせた連携を設計できます。


あわせて、社内の認証基盤とつなぐシングルサインオンに対応しているかも確認が必要です。

連携できる範囲が広いLMSほど、将来新たなシステムを導入するときにも柔軟に対応できます。




外部の学習サービスや過去の受講履歴を取り込めるか


統合先のLMSには、旧LMSに蓄積された過去の受講履歴や、外部の学習サービスでの学習履歴を取り込めることも求められます。

過去の受講履歴を引き継げないと、統合した時点から学習記録がリセットされ、社員一人ひとりの学びを長期的に把握できなくなります。


また、部署ごとに外部のオンライン学習サービスや通信教育を利用している場合、それらの学習履歴も取り込めれば、社内外の学びをまとめて管理できます。

集合研修の受講実績や資格の取得状況など、これまでExcelで別管理していた記録を集約できるかも確認しておきましょう。


受講履歴をどのような形式で取り込めるのか、取り込んだ履歴を社内の研修の履歴と同じように確認・集計できるのかを、事前にLMSの提供会社へ確認しておくと安心です。






LMS統合の成功事例                 


ここでは、AI搭載 多機能型LMS「SmartSkill Campus」を活用してLMSの統合や他システムとの連携に取り組んだ企業の事例を紹介します。

部署ごとに乱立したLMSを一本化したデンカ株式会社様をはじめ、システムの一本化とAPI連携、それぞれの取り組みを、導入前の課題とあわせてご覧ください。



デンカ株式会社様:部署ごとに乱立したLMSを一本化し、教育データを人事施策に活用



デンカ株式会社様は、約4,300名の社員を擁する化学メーカーです。

経営計画「Mission 2030」で人材の価値創造を掲げ、社員が主体的に成長し続ける「自ら学ぶ文化」の定着に取り組んでいます。


導入前は、部署ごとに複数のLMSが個別に導入されており、教育データが分散していました。

管理の非効率化や属人化に加え、他システムとの連携に個別開発が必要で、拡張性にも課題がありました。


そこで、人事データと連携できる設計と拡張性を評価してSmartSkill Campusを選び、LMSを一本化しました。

API連携で受講履歴をタレントマネジメントシステムへ自動連携し、現場の社員向けにはシンプルな画面を採用しています。


その結果、データ集計の負荷が軽くなり、属人化も解消しました。

統一されたデータにより分析の精度が高まり、定量データにもとづく意思決定ができるようになっています。




株式会社ゆうちょ銀行様:2つのeラーニングシステムを1つに統合し、運用の手間を削減



株式会社ゆうちょ銀行様は、全国の郵便局ネットワークを通じて金融サービスを提供する銀行で、約16,000名がSmartSkill Campusを利用しています。


導入前は、行内研修用のeラーニングと自己啓発用のeラーニングを別々のシステムで運用しており、受講者も運用側も手間がかかっていました。

自己啓発用の講座数にも限りがありました。


そこで、講座の登録や受講の設定が容易で、講座数に制限のないSmartSkill Campusに統合しました。

選定時には、不正アクセス対策などのセキュリティと、サポート体制を重視しています。


統合後は、階層別・職能別研修の事前学習をeラーニングで行い、集合研修はグループワーク中心にすることで、研修の拘束時間を削減しました。

自己啓発の講座も拡充され、育休中の社員や内定者も学べる環境が整っています。




株式会社大分銀行様:タレントマネジメントシステムとのAPI連携で、キャリアに応じた学びを実現



株式会社大分銀行様は、約2,000名の行員がSmartSkill Campusを利用している銀行です。


2022年度には、行員のキャリア形成と専門能力の開発を支援する企業内大学「D-Careerアカデミー」を創設しました。

企業内大学の創設にあたり、キャリア開発プログラムに連動した研修体系は構築できたものの、それに連動した自己啓発コンテンツの見える化と、いつでもどこでも学べる環境づくりが課題でした。


そこで、SmartSkill Campusとタレントマネジメントシステム「COMPANY Talent Management」シリーズをAPI連携し、キャリア開発プログラムに連動して、行員一人ひとりに合った講座をレコメンドする仕組みを実現しました。


学びやすい環境が整い、現在ではアクセスの8割以上がスマートフォンからとなっています。

システム連携が、行員のキャリアに沿った学びを後押ししています。







LMS統合なら「SmartSkill Campus」         



AI搭載 多機能型LMS「SmartSkill Campus」は、1,000名から10万名を超える規模まで、大手企業での運用実績が豊富なAI搭載の多機能型LMSです。

本章では、部署ごとの権限設定、他システムとの連携や受講履歴の一元管理、専任カスタマーサクセスによる支援など、LMS統合に役立つ主な特長をご紹介します。



部署ごとの役割に応じて管理者権限を設定できる


「SmartSkill Campus」では、8種類の管理者権限を使い分けることで、部署ごとの役割に応じた管理体制をつくれます。

管理できる組織の範囲や、個人情報の登録・編集の可否を役割ごとに設定できるため、全社共通の研修は人事部門が、専門的な研修は各部署の担当者が管理するといった運用が可能です。


各部署の担当者は自部署の研修や受講者だけを扱えるため、他部署の個人情報が見えてしまう心配もありません。

統合しても、各部署がこれまでどおり自分たちの研修を主体的に運用できます。


また、上司・メンターメニューを使えば、本部長クラスの方が部署や支店ごとの受講者数や修了率を比較したり、メンターが担当する受講者の取り組み状況を確認したりできます。

人事部門だけでなく、現場の上司も一体となって育成を進められる環境です。




API連携で人事システムやタレントマネジメントシステムとつながる


「SmartSkill Campus」は、API連携によって人事システムやタレントマネジメントシステムとつながります。

人事システムから受講者情報や組織情報を取り込めば、異動や入退社のたびに手作業で受講者情報を更新する必要がなくなります。

受講履歴をタレントマネジメントシステムへ連携すれば、スキルや評価の情報と学習データを組み合わせた育成施策に活用できます。


カオナビ、タレントパレット、サイダス社の「COMPANY Talent Management」シリーズなど、主要なタレントマネジメントシステムとの連携実績もあります。

デンカ様や大分銀行様の事例のように、受講履歴の自動連携や、キャリアに応じた講座のレコメンドにも活用されています。


SAML認証によるシングルサインオンにも対応しており、社内の認証基盤とつなぐことで、受講者は普段のIDでそのままログインできます。




過去の受講履歴や外部の学習履歴も一元管理できる


「SmartSkill Campus」では、社内で実施したeラーニングや集合研修の受講履歴を、講座単位・受講者単位で一元管理できます。

統合前のLMSに蓄積された過去の受講履歴や、外部の学習サービスでの学習履歴、資格の取得状況なども取り込めるため、LMSを統合しても社員の学習記録が途切れることはありません。


これまでExcelで別管理していた集合研修の実績なども集約できるため、社員一人ひとりの学びを長期的に把握できます。

管理者は、蓄積された履歴をダウンロードして、受講者全体の傾向分析にも活用できます。


また、Udemy Businessなどの外部の学習サービスとの連携にも対応しており、部署ごとに利用していた社外の学びも「SmartSkill Campus」の中でまとめて管理できます。




統合の計画から定着まで伴走する専任カスタマーサクセス


「SmartSkill Campus」では、専任のカスタマーサクセスが、統合の計画から導入後の定着まで伴走します。

部署ごとのLMSの洗い出しや統合後の運用設計、他システムとの連携方法など、複数のLMSを統合する企業ならではの課題についても、各社の状況を踏まえてご提案します。


導入時には、管理者向けの操作説明会を無償で実施するほか、マニュアルの作成支援や受講者向けガイドの提供など、新しいLMSへのスムーズな移行を支援します。受講者からの問い合わせに対応するヘルプデスクも設置できます。


導入後は、月次レポートや定例会を通じて利用状況を振り返り、継続的な改善を支援します。

利用部門からの要望を整理したカスタマイズ開発のご提案まで一貫して対応できるため、統合後のLMSを全社の学びの基盤として育てていけます。







まとめ


本記事では、LMS統合の意味や、LMSが乱立する原因と課題、統合のメリット、具体的な進め方を、企業事例とあわせて解説してきました。


部署ごとに乱立したLMSを統合すると、経営にとっては費用や運用工数の削減、人事部門にとっては全社の学習データの活用、現場の上司にとっては異動後も途切れない育成、受講者にとっては迷わず学べる環境と、それぞれの立場にメリットが生まれます。


成功のポイントは、社内のLMSを洗い出したうえで、統合するものと意図して分けるものを決め、関係部署と運用ルールをすり合わせることです。

決めたルールはシステムの機能で確実に運用できるようにし、人事システムとの連携まで見据えて計画しましょう。


LMS統合の価値は、システムを1つにまとめることだけにとどまりません。

その先にある全社の学習データの活用まで見据えることで、人材戦略や人的資本経営を支える基盤として、統合の効果を最大限に高められます。


【関連記事のご紹介】

グループ全体で教育水準を揃える方法については「グループ会社の研修を一元管理するには?教育水準を揃える5ステップと成功事例」で詳しく紹介しています。

ぜひご参考ください。




LMS統合に関するよくある質問


ここでは、LMS統合を検討する際によくある質問をまとめました。

人事システムとの連携方法や過去の受講履歴の扱い、部署ごとの運用ルール、各部署の理解を得るための進め方など、検討の段階で迷いやすいポイントを確認してみてください。



Q. 人事システムとLMSを統合するにはどうすればよいですか?


LMSに人事システムとのAPI連携やCSV連携の機能があるかを確認し、連携するデータ項目と、社員番号などデータを結びつけるキーを決めることから始めます。

連携実績のあるLMSを選ぶと、スムーズに進めやすくなります。




Q. 統合前のLMSにある過去の受講履歴は引き継げますか?


統合先のLMSが受講履歴の取り込みに対応していれば、引き継げます。

旧LMSから出力したデータの形式をそろえ、社員番号などで同一人物の情報をまとめておくことが、正確に引き継ぐためのポイントです。




Q. 部署ごとに異なる研修の運用ルールは、統合後も維持できますか?


部署ごとに管理範囲を分けられる権限機能を持つLMSであれば、維持できます。

全社で統一するルールと各部署に任せるルールを分けて整理し、各部署が自部署の研修を自ら運用できる体制をつくりましょう。




Q. LMS統合を進めるとき、各部署の理解を得るにはどうすればよいですか?


検討の初期段階から各部署の担当者に参加してもらい、統合の目的と、集計作業の削減など各部署にとってのメリットを具体的に示すことが大切です。

部署ごとの運用の自由度を残すことも、合意を得るポイントです。





 
 
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