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- 2023年9月27日、無料オンラインセミナー「強豪国立大学野球部から学ぶ!自律型人材育成に必要なリフレクションとは?」を開催いたします
株式会社ウィザスグループにて能力開発・キャリア支援事業に携わる、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会、株式会社レビックグローバル、株式会社SRJは、和歌山大学硬式野球部監督 大原弘監督をお招きしオンライン対談セミナーを開催いたします。 “ノーサイン野球”というユニークな戦術にて、一昨年の全日本大学野球選手権では優勝校の慶應義塾大学と接戦を繰り広げた和歌山大学の大原監督が、選手ひとりひとりの感性を大切にしながらチームを築き上げていくポイントを、日本アンガーマネジメント協会代表理事 安藤俊介と解説していきます。 詳細はセミナーページよりご確認ください。
- 夏季休業のお知らせ
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、誠に勝手ではこざいますが、当社の夏季休業につきまして下記の通りとさせていただきますのでご案内申し上げます。 何卒ご理解頂きますようお願い申し上げます。 2023年8月16日(水)から通常通り営業させていただきます。 ※ホームページからのお問い合わせにつきましても、2023年8月16日(水)以降順次回答をさせていただきます。 ご不便をお掛けいたしますが、何卒宜しくお願い申し上げます。
- 会員数を倍増する学習⽀援サービス「SmartSkill VideoLibrary」に、新たな学習コンテンツ「創造性とイノベーション」を追加
~新しい事業戦略や新たな価値の創造といった「変革=トンラスフォーメーション」を実行できる「イノベーション人材」の育成を支援いたします~ 学習支援サービス「SmartSkill VideoLibrary(スマートスキル ビデオライブラリ)」において、顧客の皆様により充実したサービスを提供するため、2023年7月に新たな学習コンテンツ「創造性とイノベーション」を追加したことをお知らせいたします。 ■「SmartSkill VideoLibrary」公式HP https://www.revicglobal.com/e-learning-membership
- 三井住友海上火災保険株式会社様の導入事例を公開しました
~企業型確定拠出年金(企業型DC)導入企業の従業員に対し、LMSを使って効果的に投資教育を実施~ 三井住友海上火災保険株式会社様の確定拠出年金の運営管理業務を支える仕組みの裏側について、個人金融サービス部/確定拠出年金チームの野田様、橋本様にお話を伺いました。 詳細は下記リンクからご確認ください。
- ホームページをリニューアルいたしました
日頃より株式会社レビックグローバルのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。 この度、ホームページを全面的にリニューアルいたしました。 今回のリニューアルでは特に多機能型LMS『SmartSkill Campus(スマートスキルキャンパス)』に焦点をあて、機能一覧、導入支援に関する情報など、これまでになかったページを追加しました。 これまで以上に、お客様に有益な情報をお伝えできるよう努めて参ります。 今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
- 会員数を倍増する学習⽀援サービス「SmartSkill VideoLibrary」に、新たな学習コンテンツ「SDGs」を追加
~SDGsに関する学習コンテンツで「SDGs の組織内浸透」と「持続可能なビジネスを現場実践できるビジネスパーソンの育成」に寄与~ 学習支援サービス「SmartSkill VideoLibrary(スマートスキル ビデオライブラリ)」において、顧客の皆様により充実したサービスを提供するため、2023年4月に新たな学習コンテンツ「SDGsで変わるこれからのビジネス」を追加したことをお知らせいたします。 ■「SmartSkill VideoLibrary」公式HP https://www.revicglobal.com/e-learning-membership
- マイクロラーニングとは
ここ1年くらいで急に教育関連の展示会やセミナーなどで目にするようになった「マイクロラーニング」。 名前の通り、「短い(マイクロ)教材を使った学習」という意味ですが、その内容自体はまだあいまいなところがあります。また、注目を浴びたのは最近ですが、概念的には10年位前から言われていた「スキマ時間学習」「スナックラーニング」とほぼ同意とも言えます。 今回はこの「マイクロラーニング」について、その意味と、なぜ今これほど話題になっているかについて、簡単ではありますが、ご説明してみたいと思います。 目次 マイクロラーニングとは何か マイクロラーニングのポイント それにしても、なぜここにきてここまで注目を集めているのか? 最後に 関連コンテンツ マイクロラーニングとは何か マイクロラーニングは、教材の学習想定時間の長さが注目されがちですが、意味的には「学習スタイル」の方がポイントになってます。 よく使われる定義としては、「1~5分程度で終わる動画やWebコンテンツ等の細分化された学習コンテンツで提供し、学習者が好きな時にそれらにアクセスして自学する、教育・学習のスタイル」という言い方をします。 一回の学習は5分程度で完了するため気軽に取り組みやすく、スマホがあれば、寝る前や通勤時間中などのちょっとした時間にも勉強ができます。 米国では「マイクロ」の他にも「Bite-Size Learning」「Sliced Learning」とも呼ばれているようです。日本でも数年前に、「スナックラーニング(Snack Learning)」と紹介されてました。 マイクロラーニングでは、教材を細かな単位で区切ります。大体1~3分程度、内容によっては5分や10分以内の場合もあります。 ポイントとしては、「途中で分割しない」というのがお約束です。つまり、学習者の理解しやすさの面から、続編はなるべく作らず、綺麗に1回でまとめるのが良いとされてます。 ただし、繰り返しますが「短いコンテンツを教材で使う」というのがマイクロラーニングの本質ではありません。 マイクロラーニングが歓迎されている背景には、その「学習スタイル」や「必要とされる人」がポイントとなっています。 マイクロラーニングのポイント マイクロラーニングのポイントとして、以下の5つ挙げてみました。 マイクロラーニングのポイント ポイント① 学習時間を創出することが難しい人に向いている ポイント② 学習を習慣化することが難しい人に向いている ポイント③ 短いほうが記憶に残るので効率が良い ポイント④ 教材を作るのが楽、修正も楽 ポイント⑤ 運用が楽 順を追って説明したいと思います。 ポイント① 学習時間を創出することが難しい人に向いている マイクロラーニングの発想の元となったのは、社会人の学習時間の「なさ」です。しかしながら、日々要求される知識情報は増えていきます。1日1時間きちっと勉強できている人はごく僅かでしょう。 そこで毎日長い学習時間を確保するのは大変ですが、数分で完了する学習であれば、通勤や移動等のちょっとした時間を利用して、毎日手軽に取り組めるのではないかということで考え出されました。 また、学んだことを記憶や行動に定着させるためには復習が欠かせませんが、数分で終わる教材であれば復習にも取り掛かりやすいので、学習内容を定着させやすくなります。 また後述いたしますが、「教材の作りやすさ」もポイントです。分厚いテキストや数十分の尺の動画は、作成も更新も多くのコストがかかりますが、小ボリュームの教材なら、作成も更新も簡単になります。 忙しい人ほど、情報や知識の収集が必要なのに、その時間がないというジレンマに対する解決策として、マイクロラーニング教材が注目を浴びるようになったのです。 ポイント② 学習を習慣化することが難しい人に向いている マイクロラーニングが向いてる人は忙しい人だけではありません。 時間が5分程度と決まってることで、動機付けが容易にできるため、気楽に始めてもらえるという大きなメリットがあります。また、家でデスクの前で学習するより、電車内など学習環境が変わることで集中力が上がるという効果もついてきます。 マイクロラーニングは、長時間の学習が苦手で集中力が続かない人が「学習の習慣化」に取り組む足がかかりとなる手法とも言えます。 ポイント③ 短いほうが記憶に残るので効率が良い 人間はたくさんの情報を一度に詰め込んでもすぐに忘れてしまいます。マイクロラーニングの教材は、短い単位なので記憶の定着が容易だと言われています。 人間の記憶の定着度について有名な研究「エビングハウスの忘却曲線」では、20分後には42%を忘れ、1時間後には56%、1日後には74%を忘れるとあります。 せっかく1時間に10個のことをみっちり勉強しても、次の日に74%も忘れてしまうのです。だったら、短い時間で1つか2つのことをしっかり覚えるほうが効率がいいと考えます。 (参考)「エビングハウスの忘却曲線」 “心理学者のヘルマン・エビングハウスは、人間の脳の「忘れるしくみ」を曲線で表しました。 20分後には 42% を忘却し、58%を保持していた 1時間後には 56% を忘却し、44%を保持していた 1日後には 74% を忘却し、26%を保持していた 1週間後には 77% を忘却し、23%を保持していた 1ヶ月後には 79% を忘却し、21%を保持していた 上記のように、復習をせず、ただ暗記しただけだったら、1ヶ月後には8割を忘れているという結果です。 これは「頭が良い」と言われている人(=記憶が得意な人)であっても勉強が苦手な人であっても大差ありません。 「人間は忘れることで生きていける生き物」です。「嫌なことを忘れる」ことで精神的な健康を保つ仕組みなのかもしれません。” (参考)効果的な記憶術は復習のタイミングから エビングハウスの忘却曲線からわかることとして、「復習するタイミング」があります。 間違いなく復習しないといけないのは、「翌日」ですね。そして、だんだん復習の間隔を長くすることがポイントです。 記憶が定着するのは睡眠時だそうです。睡眠中に脳内で再生・整理される情報は、寝る直前のものが多いので「暗記物は寝る直前にやるとよい」という話はよく聞きます。 効果的な記憶のための復習のタイミング ① 暗記して10分程度後に復習 ② 寝る前に復習 ③ 朝起きて復習 ④ 7日後~10日後の間 ⑤ 4週間後~6週間後の間 このように復習を効率的に行うことで、学習効率が上がります。 復習を効率的に行うには、復習もマイクロラーニングでタイミングよく行えばよいということになります。実際にマイクロラーニング教材では、復習用のコンテンツがセットになった構成のものが多いです。 マイクロラーニングは、記憶効率を上げるための学習方法とも言えます。 ポイント④ 教材を作るのが楽、修正も楽 企業で人材教育に携わる方がほぼ必ずおっしゃることとして、「自社オリジナル教材を作りたい」というのがあります。そのため「楽に教材を作れるツールはないか?」「自社教材を作ってくれる制作会社を紹介して欲しい」などよく相談されます。 そういった担当者の方に私は「では、まずはマイクロラーニング的な教材から始めてみてはどうでしょう?」と勧めます。 マイクロラーニングは短いので、制作作業の負荷も低く、継続して取り組みやすいからです。 教材にもよりますが、ツールのベースはPPTなどを使っても良いですし、映像などでケースドラマなどでわかりやすく、見て実体験できるような作りのものも意外に手軽に作れます。短い動画でストーリーを追う「エピソード型記憶」が最適といわれています。撮影も、細かい修正を気にしないで1発撮りでOKです。 単語や知識を覚えるのにはフラッシュカード形式の教材もあります。 前項で説明したように、学んだことを定着させるには復習が大切なので、復習の教材も同時に作りましょう。 復習コンテンツはクイズ形式で飽きさせない工夫をしても良いです。 短いからと言って単純にならず、アンケートなどで感触をつかみながら工夫すると教材のクオリティが上がっていきます。 習慣的な学習が続けられないユーザーのために、ゲーミフィケーション要素も入れて、学習回数に合わせて何らかのイベントを入れると、学習者も楽しめて継続しやすくなります。 ポイント⑤ 運用が楽 教材だけでなく、配信方法にも気を配る必要があります。 マイクロラーニングの学習スタイルでは、コンテンツに素早くアクセスできなければ意味がないので、社員全員がすぐに使えるプラットフォームを選ぶことが大切です。 現実的には「スマホ」がその有力候補になります。 コンテンツ配信のプラットフォームはLMSでなくても良く、シェアポイントなどのナレッジマネジメントシステムでもよいし、履歴不要であれば「企業内SNS」やメッセンジャーなどでもOKです。 大切なのは、頻繁に更新して、まめに通知・連絡してあげることです。PDCAサイクルを実行し、(結果や状況の変化に応じて)修正しつづけることが大切です。 参考)マイクロラーニングを使った運用例 ① 教材を作る 動画で撮影したものや、PPTに音声を付けたもの 受講者の学習への抵抗が少なく、映像や音声情報が理解を助け、記憶に定着しやすい。3分以内がベスト。 クイズ形式(フラッシュカード、2択・3択など片手で操作できるインターフェイス) 動画形式(5分以内の短い講義動画や、見やすいドラマ形式のケース映像など) ② メールやSNSなど、受講者の目につきやすい方法でアナウンス 通勤途中など場所を選ばず学習できるように配慮する。 ③ 記憶の定着を考えて、複数回の配信も良い あんまりしつこいと嫌がられるので、多くて2回程度、メールリンクからすぐ学習できるように、帰宅後や通勤時間を狙って配信する。 ④ 1週間後、4週間後などに復習教材を配信。 全体の視聴履歴の公開や、ランキングなどで競争意識を盛り上げる。 それにしても、なぜここにきてここまで注目を集めているのか? それにしても、以前からあったマイクロラーニングがここにきてなぜここまで急激な広がりを見せているのでしょうか? あるテレビ番組では、マイクロラーニングが好評だった年代が、デジタルネイティブでPCやスマホに慣れ親しんだミレニアル世代だったことが話題となってました。 もともとこの世代は、動画で育った世代で、読書時間が短く、本などの文字上の主体の教材に対する抵抗が強いと言われてます。また、コミュニケーションスキルを要する集合研修などが苦手な上、OJTによる教育なども定着しにくいと言われてます。マイクロラーニングは、OJTの補完や、知りたいときにすぐ調べられるマニュアル的な使い方が向いていますので、その面でもマイクロラーニングの効果が高いと評価されました。 海外では、IT企業を中心に大手企業からマイクロラーニングの導入が始まったことも注目された理由の一つではないかと思います。 ATD 2017 International Conference & Expoでは、調査対象の企業の38%がマイクロラーニングをすでに活用、42%が将来マイクロラーニング導入を検討しており、すでにIBMや造船会社などの多数の企業で効果が上がっていると報告されています。 マイクロラーニングの例としてよく出ているものとして、Googleの無料eラーニング「Googleデジタルワークショップ」があります。検索の仕組みやソーシャルメディアの活用方法などデジタル マーケティングの基礎を動画でわかりやすく学べます。 Googleデジタル ワークショップを開く(外部リンク) 問題は図説テキストと動画を使って説明されており、動画終了後に各テーマに沿った演習問題を解く仕組みになっています。動画は大体2-3分で、解説者が登場し、飽きずに移動時間などで学習できるようになってます。 さらにポイントとして、目標設定するというのがあります。これは、「ネットショップを始めたい」「ソーシャルメディアを使って広告したい」など目標を設定し、目標に合わせてレッスンを受講することができます。 最後に認定証というご褒美がでるのも嬉しいポイントですね。 最後に 全ての教育をマイクロラーニングに転化することは無理です。やはり、時間をかけてじっくり学ぶ必要があることも多いのですから。私は、学ぶことをすべて1つのフォーマットでやろうとすること自体がナンセンスだと思います。学ぶ内容に合わせて、もっともわかりやすく頭に入る方法を取ることが大切だと考えます。 マイクロラーニングはその方法の1つであり、スマホという新しい勉強道具を使った方法の一つとして有効です。そして、学習は自発的であることが理想であり、今まで学習しなかった人がマイクロラーニング導入により自発的に勉強できるきっかけとなることが何よりも大切な効果だと思ってます。 また、「自社に合ったコンテンツを作る」という体質を作るきっかけになると良いと思ってます。これからの企業内教育は、業務内容に合わせて、様々な表現方法で自社用教材を内製化できる時代です。 最後までお読みいただきありがとうございました。 関連コンテンツ コンテンツライブラリ‐マイクロe-ラーニング‐ 「Smart OJT Library」資料ダウンロードページ
- メンター制度とは
少し前にTVで「メンタリング」を使って、人の心を当てるタレントが出ていました。「メンタリング」の使い方としてそれがあっているかどうかはわからないのですが、私の理解としての「メンタリング」は、「指導や助言する」行為ととらえています。企業内教育の分野では、メンター制度は、新入社員や若手のメンバーに対して、先輩をつけて相談事に乗ってあげたり、仕事のサポートをしたりといったような教育プログラムとして組まれています。 今回は、この「メンター制度」について、簡単にまとめてみたいと思います。 目次 メンターとは? メンターとメンティー どんな人がメンターに向いているか、どう育てるか コーチングとメンタリングとの違い 最後に メンターとは? メンターは英語で「Mentor」とつづります。辞書での意味は「(指導者として)導く」とか「指導(助言)する」といった意味になり、名詞として「指導者」の意味もあります。 「Mentor」の語源としては、ギリシャ神話の賢者Mentor(メントール)に、トロイ戦争に出陣するオデッセウス王が息子テレマコスを託した“良き指導者”であったことから来ています。メントールは献身的にテレマコスの良き理解者・支援者として教育し、そのやり方は多くの人から感心され、尊敬と敬意を集めました。そのことから、人を指導・支援するスキルが現代では「メンタリング」と言われるようになりました。 つまり、語源から拾える意味としては、「信頼される指導者が教育する」と言えます。つまり、この後詳しく話す「メンター制度」での鍵が、「人間力を重視した支援型の育成制度」であるということです。 コトバンクの説明では、「メンター制度とは、企業において、新入社員などの精神的なサポートをするために、専任者をもうける制度のことで、日本におけるOJT制度が元になっている。メンターは、キャリア形成をはじめ生活上のさまざまな悩み相談を受けながら、育成にあたる。」とあります。この場合、「精神的なサポート」や「生活上のさまざまな悩み相談」というところがポイントです。 今メンター制度が注目されのは、日本の教育制度の中心として取り入れられている「OJT」が、仕事(技術)中心の内容であったため、社員の精神面の成長や仕事を含めた生活面でのサポートができなかったことに対する反省と言えます。 例えば、社員が仕事の悩みから「うつ」になってしまったり、壁にぶつかっても相談する人がいない、または、中途採用などで新しい現場に孤独を感じて離職するといった問題があります。 こうした仕事に対する基本的な考え方や仕事の進め方について助言したり、仕事場での人間関係の悩みを聞いてあげてることが、社員の成長や組織としての結束力、そして、離職リスクを減らすとして、メンター制度は多くの企業で取り入れられています。 メンターとメンティー 指導をする人を「メンター」、指導される人は「メンティー(Mentee):被支援者」と言います。 メンターは、成功体験を実現するためのお手本をロールモデルとして見せ、目標達成のイメージを明確にし、成功した時の楽しさ、やりがいを「語る」ことで、仕事のやる気を高めます。自分の体験を教えるだけでなく、現状把握を通して、どのように対応するべきかを自分で考える支援をします。コーチとは似てますが、アプローチが違います。 最近では、積極的にメンターを付けて育てたいメンティーの人材として、以下のような人材があげられます。 ①新入社員 ②専門性の高い人材 ③次世代リーダー ④女性リーダー ⑤ダイバシティにかかわる人材 ⑥将来のメンター候補 「①新入社員」にメンターを付けることによって、早期戦力化することができ、新卒の退職のリスクを下げることができます。 「②専門性の高い人材」にもメンター制度は効果的で、専門技術を取得するための勉強方法やプロとしてのロールモデルを見せることにより、自らを専門家としてバリューアップを続けられる人材に成長させます。 「⑤ダイバシティにかかわる人材」は、人間関係の問題の起こりやすいダイバシティ環境での問題を解決するのに、メンター制度が欠かせなくなってきています。 また、会社側はメンティの上長とメンターがコミュニケーションを取れる環境を構築することが大切です。そうすれば、メンティは直接上長に伝えることのできないことを、メンターがうまく伝える緩衝材になりますし、上長もメンティへの成長してもらいたいポイントや評価を間接的に伝えられるので、人間関係がうまく形成でき、業務が円滑に回り出すようになります。 どんな人がメンターに向いているか、どう育てるか 企業内でメンター制度を導入するにあたり、メンターとなる人物には、ある程度の経験が求められます。 特に専門性が高い仕事の場合、メンターが高い専門性を持っていることは有利です。しかし、そうなるとどうしても上長などがメンターを兼任すべきとなってしまいます。組織の規模にもよりますが、上長がメンターを兼任してしまうと、多忙で十分に機能しなくなるケースも多いのです。 また、上長がメンターになってしまうと、メンティが心理的に「評価者」としてとらえてしまうため、簡単に相談できなくなり、制度が機能不全に陥ります。 そのためにも、上長がメンターになるよりも、優秀な若手社員をメンターとして育て、上長は研修などでメンターのモチベーションを上げてあげることに力を入れるほうが良いと言われています。研修で指導・支援スキル学ばせるだけでなく、日々のメンターとしての体験から、その意義を実感として味わう機会を作ってあげることも、上長の役割として大切です。 そして、会社が行える支援として、「メンター」を社内資格などでキャリアとして認定し、査定などで「見える化」してあげることも、モチベーションアップにつながります。 また、メンティの人間的な成長を支えるためには、「信頼」が何よりも大切なのかもしれません。メンティの抱える悩みや問題はあなたにとっては理解しがたいことかもしれません。「信頼」がなければ、相談すらしてもらえないのです。メンティに心を開いてもらうためには、信頼してもらい、本音で話せるようになるしかありません。 信頼を得るためには、相手を理解し、同じ立場に立つことが必要です。同じ立場に立つということは、相手と同じくらい問題を知り、それに対する内容をしっかり掘り下げることです。 かつ、この段階で意見や判断が偏らないように、客観的な姿勢を保つことも大切です。 これらのメンタリングは、タイミングよくアドバイスをしてやることであり、何時でも相談にこれるような場を作ってあげることにより、効果が発揮されます。 コーチングとメンタリングとの違い メンタリングは対象となる人の迷いを取り除き、成長させ一人前にしていくことです。 「コーチング」もニュアンスが似ており、技術的にもメンタリングと被っているところが多いですが、はっきりとした違いがあります。 ①専門性の違い メンターにはその専門分野での経験や能力がより重視されます。 コーチングは、対象となる人との対話の中で、その人の潜在的可能性を見出し、考えさせて、自ら進むべき方向へ導く役割を担います。その中では仕事についての専門性は弱く、成功体験、専門知識、お手本(ロールモデル)を自分が示すことを必ずしも要求されないため、プロセス管理に重点をおく傾向があります。 したがって、コーチングの専門家は様々な職種の人をコーチします。 対してメンターは、対象者となるメンティと似た仕事・立場の人が選ばれます。それは、よりメンティの側に立って相談に乗ることで、信頼と共感を得ることができるからです。同じ仕事をしているので、その仕事特有の問題などにも対応できます。成功体験やお手本を見せることで、メンティの理解も深まります。 ②人間関係のサポートや人間的な成長への支援 メンターは、高い信頼のものにやる気を高め、業務の達成を通して、人間的な成長も支援します。また、社内外で必要な人脈を構築し、それらの人を必要に応じて、引き会わせたりもしてくれます。時にはメンティの家族の問題にも踏み込むかもしれません。コーチにはこのような役割は守備範囲外ですし、専門外なので難しいでしょう。 メンターはまさに賢者Mentorのように、尊敬と信頼を勝ち得る必要があるのです。 最後に もしあなたがメンターに指名されたら、あなたに人間力があると認められているということでもありますので、ぜひ自信を持って後輩に接し、誠意を持って真剣に考えて上げていただければと思います。 最後までお読みいただきありがとうございました。 関連記事 モチベーション3.0とは(Part1) ワークプレイスラーニングとは 内定者フォローとは(その2) コーチングとは
- ソーシャル・レコグニションとは
前回は、仲間や同僚などが作用し、お互いの行動、生産性に影響を与え合う「ピア効果」と、それを利用した報酬制度である「ピアボーナス」についてご説明いたしました。 ピア・ボーナスは、従業員同士が互いに仕事の成果や行動を評価し、報酬を贈り合うことができる評価制度で、HRテクノロジーの進歩で、従業員間で報酬を贈り合えるツールが登場し、メディアでもよく取り上げられています。 今回は、ピアボーナスなどピア効果を利用した昇給・昇格に変わるモチベーションアップの手法として「ソーシャル・レコグニション」の考え方に注目してみました。 目次 ソーシャル・レコグニションとは ソーシャル・レコグニションの効果 ソーシャル・レコグニションの事例 最後に ソーシャル・レコグニションとは 英語の「レコグニション(recognition)」の意味は、「承認」とか「認識」と訳されます。 日本の会社にも、もともこの「レコグニション」が人事制度として存在していました。 例えば、月間売上などの業績表彰や勤続に関する表彰などです。これらの精度は、会社が従業員の貢献に対して、給与アップやボーナスなどの金銭報酬(リワード)で評価するだけでなく、表彰制度といった「賞賛・承認」といった「栄誉」をもって報います。中には、より賞賛・承認効果を上げるために社内報や社内ビデオニュースに載せたりするところまあります。ただこれは数字など上から見た会社からの一方的な評価でした。 こうした会社からの一方的な「レコグニション」に対して、「ソーシャル・レコグニション」は、組織においてメンバー同士が互いを承認しあうこと、また、その仕組みのことを指します。 基本的には社員同士が「賞賛・承認」するのがソーシャル・レコグニションで、そこに金銭的なものが含まれるのが前回説明した「ピアボーナス」です。「ピアボーナス」は「ソーシャル・レコグニション」の一例と言うことです。 最近では、社員同士が気軽に褒め合える社内向けのHRツールも登場し、社員のモチベーションアップや人事評価制度を補助する目的で導入する企業が増えています。 ソーシャル・レコグニションの効果 ソーシャル・レコグニションは、従業員同士が感謝や称賛を伝えあう「ピアツーピアの称賛システム」です。そこには「ピア効果」によるエンゲージメントやモチベーションアップの仕組みがあります。 今までは、社員のエンゲージメントの向上には、昇給や昇格が有効と考えられていました。しかし金銭的報酬は、もらった時に一時的な幸福感を生み出しますが、それが永続的なエンゲージメントやモチベーションアップにはつながりません。ソーシャル・レコグニションは、長期的なエンゲージメントや、恒常的なモチベーションアップに効果があると言われています。 例えば、ソーシャル・レコグニションのメリットをまとめるとこんな感じです。 1.従業員エンゲージメントを高める 一般的な離職理由の上位は「人間関係が原因」だったり、「周囲に適正に評価されていないと感じる」という理由です。そうした気持ちをソーシャル・レコグニションという見える形で評価されることで、満たしてあげることができます。 2.優秀な人材を流出させない 「自分が必要とされている」と表立って評価されることによって、帰属意識を想像以上に高める効果があるそうです。結果、優秀な人材を流出させない離職率も下がります。 3.評価の漏れを防ぐ 前回のピアボーナスでも述べましたが、数値や表立ってわからない「縁の下の力持ち」的な働きをする人材を正しく評価し、数値などで計りにくい貢献度を知ることができます。結果今後もポジティブに従事してもらうことができます。くすぶり易い影の存在にも光が当たるので、結果として、会社の雰囲気が良くなるのです。 ソーシャル・レコグニションの事例 世界的にも、ピアツーピアで感謝を伝える「Achievers」や360度評価を活用した「Bonusly」などのサービスが登場し、ソーシャル・レコグニションを職場環境の改善につなげようとする取り組みが増えています。 メルカリのメルチップ賞 フリマアプリとしてシェアNo.1のメルカリでは、レコグニション制度として「メルチップ賞」というリワードを設けました。メルカリは急成長した故に、メンバーの顔と名前が一致しなくなり、コミュニケーションロスから問題が発生するという状態だったそうです。 そこで、「メルチップ(mertip)」と「感謝の言葉」を併せて相手に贈るという仕組みを導入し、ソーシャル・レコグニションを制度として成功させました。メルチップは1ポイント=1円とし、最も多くメルチップを得た従業員にメルチップ賞を授与するそうです。メルチップなしで感謝の気持ちだけを贈ることも可能で、これもコミュニケーションアップに貢献しています。 ベースとなっているシステムは、ピアボーナスの説明時に出てきたFringe81の「Unipos(ユニポス)」です。詳しくはピア効果とは、ピアボーナスとはの回をご覧ください。 Achievers Achieversは P2P (Peer to Peer)方式で、相手に感謝の気持ちや報酬を与えることができるツールです。1対1でのやりとりなので、周りの人に気兼ねせず、自分の気持ちに正直にお礼ができるという特徴があります。つまり集団心理に左右されず、自分の中にある素直な感謝の気持ちを直接相手に伝えることができる賞賛システムなのです。 Achieversは何よりも、「簡単に」「すぐに」お礼が言えることを重視しています。感謝のタイミングが遅れてしまうと、感謝を受ける側の効果が下がってしまうそうです。働き方について研究している会社なので、様々な働きやすさを追求したシステムを開発しています。その中の機能の一部がレコグニション&リワード機能なのです。 Achieversで開く(外部リンク) Bonusly 米国のBonusly社のHRシステムでは、360度評価機能に「ボーナスポイント」という要素を加えることで、組織内のソーシャル・レコグニションを活発化させる狙いがあります。社員同士による360度評価を実施しつつ、特に良いと思う同僚にはボーナスポイントを付与することが認められています。獲得したボーナスポイントは、そのままアマゾンやスターバックス、PayPalなど数多くの選択肢から自由に選んで交換することができるので、エンターテイメント性・ゲーミフィケーションエッセンスも持ち合わせたシステムです。 2012年の設立以来、オラクルなど大手にも採用されて実績を伸ばしています。 Bonuslyで開く(外部リンク) 最後に 360度評価方式は、評価の客観性を高め、コンピテンシー(行動特性)の浸透につながると話題になりました。しかしながら、年に数回の評価時のみに実施されるため、良かったことを忘れてしまうなど、抜け落ちる評価点も多いと思います。 ソーシャル・レコグニションのツールの多くは、「すぐに称賛・感謝できる」ことに重点を置いているところが多いです。即時性もモチベーションアップに大切だと分析されているのです。また、「何が良かったのか」「みんなが自分のどこを認めてくれたのか」は、その場で即時評価されないとなかなかわかりにくいのかもしれません。 ソーシャル・レコグニションの価値は、単に褒め合って気分を良くすることではなく、組織の中で自分の存在が肯定されることにあると思います。上司による評価は、組織内でのその人の業務の必要性を、必ずしも正しく評価する基準で決められているわけではないからです。したがって、組織的には大切な人材なのに、評価基準から漏れている不遇な人は結構います。こうした人が、周りからさりげなく、かつオープンに賞賛され、さらにそれがちゃんと給与にも反映されることによって、公平性や納得感を得ながら働くことができるのは非常に大きな働き方の進化だと思います。 最後までお読みいただきありがとうございました。
- OJTとOff JT
OJTとOff JTについて、簡単ですがまとめたいと思います。 まずよく耳にする「OJT」ですが、ご存じのとおり、こちらは現場で上司や先輩から受ける職務トレーニング教育のことです。 「なんだ、それは普通にやっていることじゃないか」と思うかもしれませんが、OJTはしっかりとしたトレーニングとして考えないと、担当となる上司や先輩によって教え方が違うので、成果にばらつきが出ます。そのため最近では、OJT用のメンター制度や、トレーナー側の研修などもOJTのシステムに組み込んで考えられています。 「Off JT」はあまり耳にしないかもしれませんが、一言でいうならば「職場から離れたところで行われる職務トレーニング教育」のことです。例えば、マネージャーを一か所に集めて行われる集合研修や、内定者にネットを使って教材を学ばせる「内定者向けWBT」などが「Off JT」の代表例です。 「Off JT」については、いろいろありますので別の機会に個別にご紹介し、今回は「OJT」について、効果的に行うためのコツについて、少しお話させていただければと思います。 目次 OJTとは OJTを導入する際のポイント OJTの課題とツール 最後に 関連コンテンツ OJTとは 「OJT」は「On-the-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略で、「職場の上司や先輩が、実際の職務遂行を通じて訓練や能力開発を行うこと」と定義されています。 1900年代の日本の企業のほとんどが、社内教育の中心に、OJT形式の教育を据えていました。しかしながら、きちっとシステム化されなかった為、多くの会社ではOJTが機能しなかったようです。 2000年以降になると、OJT以外の教育方法も導入され、OJTの割合は減りましたが、最近になって「OJT」が見直されています。 以前のOJTはいわゆる「現場で覚える」という漠然とした形で、せいぜい教育担当が割り振られ、教わったことをレポートにまとめる、といった程度のざっくりとしたものでした。 本来のOJTは、教育担当者の配置や育成計画を立て、取得すべき能力の目標や期限を定め、定期的に結果を評価し、次の教育計画に反映させていくという「業務PDCA」として実施されるべきものです。しかしながら、OJTを「仕事」として位置づけ、実施するという会社は少なく、そこがOJT教育の誤解されている点でもあります。 教育担当者の配置や育成計画があやふやだと継続的な教育ができず、内容も継ぎ接ぎになります。取得するスキルの目標や期限が決まっていないと、本人の意識が薄れ、段階的な教育ができません。そうなると評価のタイミングに結果がわからないので、評価ができず、本人も会社も成長しているのかどうかがわかりません。問題点も見つからないでしょう。 こうした「間違ったOJT」を見直そうと、最近のOJT教育は、受講者の能力レベルや意欲、態度、性格によって効果的な方法をさまざま試しながら、その人に合った最適な方法で行うというレベルのものまで開発されています。 OJTを導入する際のポイント (1)OJT担当者を決め、目標・ゴールを意識させる 誰が誰を教育するのかという役割を決めないでOJTを始めると、仕事が発生した時に、その場にいた人が目の前の仕事を片付ける為だけに教えるので、時間も取れず、人により教える内容に漏れが生じます。目指すべき目標やゴールもわからないので、教わる側も何となく作業してしまします。つまり、継続性に乏しく、教育効果が期待できません。 OJTの第一歩は担当者を決めてトレーナーとして自覚をさせ、両者が教育の目標・ゴールを意識できるようにすることです。 (2)OJT担当者同士が定期的に集まり、意見交換や情報共有の場を設け、アップデートする 仕事の内容は常に変化にさらされています。トレーニング手法や教材のアップデートが必要です。 そしてそれ以上に、教わる側についての変化や、教える過程でトレーナー側がぶつかった障害などを報告し、それを取り除くための意見交換や情報共有が大切です。そしてその中で育成上の問題点や課題をどんどん見つけていきます。 また、時にはトレーナー向け研修などで、トレーナー達の技術とモチベーションを上げてあげなくてはいけません。 社内SNSなどで、トレーナー同士のつながりを強化する取り組みは、最近のOJTでも重要視されています。 (3)技能やスキルは具体的な達成目標を設定する 技能やスキルについては、具体的な達成目標を明示します。「~ができるようになる」「~業務に対しては任せられる」といった、職務能力を判断する基準を明確にし、本人にもそれを伝えます。どの状態が「できる」と呼べるのかを具体的に表現するのがポイントです。 (4)態度や意識の目標は、具体的な表現で、頻度を観察してレベルづけする 教わる側の意欲や態度といった心理面・行動面の目標は、目指すべき具体的な態度や行動の具体的な事例を説明し、「いつも行っている」「時々できる」など、レベル分けすることで意識させます。 (5)実施期間については細かくステップに分ける 実施期間については、ステップに分け、1~3ヶ月で成果の確認や修正を行いながら進めます。 ステップが長すぎると受ける側の心理としてのんびりしてしまい、あいまいになるため、効率が良くありません。ならば、ステップを細かく分け、頻繁に評価し、自分の成長を確認できるようにした方が効果的です。 教える側も、ステップが細かい方が結果の確認タイミングが多く取れ、指導の修正などが容易ですし、期間がすぐ見えていた方が、仕事としての自分の負担も軽くなります。 (6)OJTは仕事として定義し、就業時間内に行う。 教わる側のプレッシャーもそうですが、教える側の負担も考慮することが大切です。そのため、これは業務であるとはっきり明示し、しっかり教育に取り組めるように、他の仕事の負荷を軽減する取り組みをすべきです。そして、良いトレーナーにはそれなりの評価を目に見える形でしてあげます。 (7)方法や手法を常に見直し、上長が面接などを行って判断していく。 何となく任せてしまっていては、育ちきった時に思ったように育っていないかもしれません。教える側、教わる側の双方を面接し、詳しい記録を残していきます。OJTは人事評価においても考慮すべき点です。 OJTの課題とツール OJT教育が一定期間効果的に行われると、部門のリソースを維持しながら、社員全体のスキルがアップし、役割を変えて配置したり、欠員に応じた対応ができるなど、メリットが大きい反面、教える側の負担も増える傾向にあり、業務や企業規模に応じたOJT計画を立てる必要が課題となっています。 OJTを教育システムとして正しく機能させるためには、いくつかツールがありますが、なくてはならないのが「OJTチェックリスト」でしょう。 チェックリストには、必要な行動が具体的に記されているので、トレーナーはこのチェックリストを使い、自らのOJTを定期的に振り返りることで、OJTの質の向上を図ることができます。同様に教わる側にもチェックシートは必要です。自分のチェックだけでなく、トレーナーについても評価ができるように項目を工夫します。 また、「社内資格」などを整備し、スキルを見える形で規定すると、モチベーションが上がります。その人ができる仕事のスキルを評価して、役割等級を決める役割等級制度が注目を集めています。そのために「役割給用・役割等級判定表」などを作ります。 弊社顧客から一番ご相談いただく内容として、「トレーナースキルのアップ」があります。特に、「技術的なことは十分備えているが、人に教えることが下手である」と評価される先輩社員を、トレーナーとして使えるようにしたいというものです。 これには現実問題として、教わる側のメンタリティが大きく関わっており、トレーナーにとってはそこをどう攻略するかがカギとなります。こうしたトレーナースキルのアップには、コーチングなどのスキルを習得することが非常に効果があります。つまり「教えることのプロ」になるわけです。 弊社映像教材のランキングでも、「コーチング」「OJT指導」のコンテンツは常にトップにある売れ行きです。 今日から使える 実践コーチング 他にも「OJT」関連の教材が多数リリースされています。 SmartOJTプログラム リーダースキルアップ ライブラリー 部下を持った人のためのOJTスキル強化パック OJTスキル強化プログラム トレーナーズ・トレーニング講座 計画的なOJTの進め方 ~職場を強くするOJTの実践テクニック~ 最後に 弊社では、OJT教育を映像教材でサポートするご提案を行っております。映像により、トレーナー自体がわかりやすくトレーニングできるように作られたコンテンツです。 その他にも、OJTのトレーナーの負荷を軽減するために、知識レベルでの理解をeラーニングで代用できるコンテンツなども開発しておりますので、ぜひ相談ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。 関連コンテンツ コンテンツライブラリ‐マイクロe-ラーニング‐
- ワークプレイスラーニングとは
多くの企業で、従業員のエンゲージメントを高める試みとして、「ワークプレイスラーニング」の整備が行われているようです。 仕事のやりがいや給料を満たすだけでなく、従業員の仕事上のスキルアップを積極的に会社が支援することによって、モチベーションが上がり、高い生産性を上げ、人も会社もハッピーになると認知が進んだという感じでしょうか。ワークプレイスラーニングは、従業員のエンゲージメントを高める手段としても重要な意味を持つようになりました。 今回はこの「ワークプレイスラーニング」について簡単ではありますが、説明させていただきます。 目次 ワークプレイスラーニングとは ワークプレイスラーニングの歴史 課題 具体的な方法 最後に 関連コンテンツ ワークプレイスラーニングとは ワークプレイスラーニングとは、直訳すると「職場での学習」ですが、少し意味を足して「働く現場における学習」と呼ばれます。 簡単に言えば、「学習」と「実務」を連携させるタイプの企業内教育スタイルです。個人のスキル向上と組織パフォーマンスの改善を目的とした学習の仕組みを作り、日々の実務のプロセスに組み込むことによって高い学習効果を実現、人材の能力開発に有効な手段として注目されています。 「人間の能力開発の70%は、インフォーマルラーニングによって説明がつく」と言われています。これは座学による研修やeラーニングといった、いわゆるフォーマルラーニングによる学びは30%、残りの大部分70%は実際の仕事(現場の経験:インフォーマルラーニング)から学んでいるという意味です。ワークプレイスラーニングは、この70%の「現場の学び」に注目した概念です。これまで「現場の学び」は、現場の人間まかせにされ、多くの場合は、「放置OJTプレイ」などと呼ばれる実態のようです。 この正常に機能していない「現場の学び」にも会社が積極的に支援しようとする考え方がワークプレイスラーニング施策です。 ワークプレイスラーニングの歴史 社会人が仕事をするには、専門的知識や仕事に関連する情報、状況判断や知恵などを活かしながら行わなくてはいけません。そして現代は高度な情報化社会なので、必要な情報量も莫大になり、かつ変化も激しくなりました。現場では、こうした様々な知識や、問題の解決策を導き出す力が求められます。しかし、そのような能力を上げるには座学研修やセミナーだけでは限界があり、現場の実経験なくしてこれらを身に着けることはできないでしょう。つまり人材の能力向上を促進するには、「学習」と「実務」を連携させた仕組みづくりが必要となります。 2000年位から、アメリカの先進企業では、「実務」と「学習」を連携させた新しい学習環境「ワークプレイスラーニング」の試験的導入がはじまりました。2007年にアメリカのラーニング・デザインの専門家であるマークJ.ローゼンバーグが著書”Beyond e-Learning”を発表したことにより、ワークプレイスラーニングのコンセプトが広く認知されました。この本の中でローゼンバーグは、集合研修やOJTはもちろん、学習支援となるツールや職場、コミュニケーションまで、ワークプレイス全体の学習環境を連動させて、効果的に設計することを提唱しています。 “ユニパート社の事例” 「企業内での学習環境の整備」は実は、欧米の先進企業では既に90年代から整備されてきました。有名な事例としては、イギリスの物流・ロジスティック企業ユニパート社では、各事業所の中に学習室があり、仕事に必要な能力開発ツールや eラーニングコンテンツが24時間いつでも使えるようになっていました。 さらに驚くべきは、全事業所からオンラインで集められる問題解決事例のデータベースがあり、現場で問題が見つかるとグループで集まって情報を調べ、ヒントを得るとすぐまた現場へ、という具合に従業員が日常的に現場と学習室を行ったり来たりして仕事を勧められていたことです。こうして解決した事例や新たに発見された問題は一定のフォーマットで即時に登録され、新しい学習リソースとなります。 このノウハウ・ナレッジをもとに、ユニパート社はネット通販会社の物流を支援する会社や学習システム構築を支援する会社を立ち上げ、新たなビジネスへと展開させてることに成功しました。 課題 これまでは、「現場の学び」と言えば、「OJT(オンザジョブトレーニング)」でしたが、現実は、OJTという名のついた「放置OJTプレイ」になっているケースが多いと言えます。職場の上司や先輩が、部下や後輩に具体的な仕事を与えて、意図的・計画的・継続的に指導し育成していく活動が本来のOJTですが、実態は見よう見まねで仕事をさせ、指導する立場の上司や先輩自身は教育意識が低く、無計画で一時的な対応になっているケースが多いのではないでしょうか。 一方、職場を離れて教育研修やワークショップ、セミナーなどを受講するOff-JT( オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)は、。職場ではなかなか感じ得ない、きっかけづくりとしてや、気づきを得るという意味でとても重要な学習機会ですが、実際の仕事の現場に戻ると現実とのギャップに苦しみ、活かしきれないという声もあります。 具体的な方法 例えば、コーチングやメンタリング(メンター制)を取り入れたやり方でOJTを実施するなどです。また、OJTだけではなく、eラーニングコンテンツを使ってICT環境で知識を学ぶことも、導入していなければすべきかと思います。 最近よくある事例では従来のeラーニングに加え、社員同士がネットワークで情報交換をするSNSや、社員が業務で得た個別の知識やノウハウを一元で管理・共有できるナレッジマネジメントシステムを構築し、必要に応じ実務情報を検索して入手できるよう情報共有機能に力を入れているケースが多いです。 これらを導入することで、現場での学習効果も高められますし、問題解決の手段が増えたり、新商品の開発や新たな事業展開などの成果にもつなげることができます。 ワークプレイスラーニング環境構築の具体例 OJTは、ガイドラインを整え、コーチングやメンター制、ブラザー・シスター制度などを取り入れて支援を受けられる状態で実施する。 指導するマネージャーや職員のコミュニケーション能力の向上などの支援(コーチング研修、コミュニケーションスキルアップ研修) 従業員自身が日々の業務の中で学んだことを積極的にコミュニティ上で同僚に教えることができる社内SNSを用意 社員が業務で得た個別の知識やノウハウを一元で管理・共有できるナレッジマネジメントシステムの構築 e-ラーニング教材等や各種情報データベースへ容易にアクセスできる環境の整備(マニュアル、ジョブエイド) 上司や同僚からフィードバックもらえ、貢献したものを評価できるシステム 希望や適性や成果などに応じて柔軟に対応できる配置転換ルールの整備 これらのワークプレイスラーニングを促進する制度を取り入れる上で大切なのは、社員が自発的に学べる環境を整備してあげることす。社員が自ら課題を設定して、学習の機会をさまざまなツールから選択できる、その仕組みを組織のなかでどのように定着させていけるかが成功のカギと言えます。 最後に 企業のワークプレイスラーニング導入の狙いは、個人や組織のパフォーマンス改善であり、結果として業績に結びつく知的生産性向上が求められます。そして、仕事の経験値の少ない人だけでなく、その職場で働くすべての人を対象に、「業務改善プロセス」と「学習プロセス」を現場で同時に起こすことが期待されるのです。 こうして業務のクオリティが上がっていくことは言うまでもなく、所属している組織内で成長を実感できることや周囲との人間関係づくりをできることで社員の「エンゲージメント」も向上します。 程度の差はあれ、人は誰でも「成長したい」という願望があると思います。成長し、認められ、自分の価値を上げたいと思ったときに、自分の置かれている環境を考察し、会社が自分の価値を上げてくれると思えれば、仕事に熱も入るのではないでしょうか。こうした取り組みに熱心な職場環境は、人材が流動的になった近年でも魅力があり、良い人材が集まり、長く従事してもらうことができています。 会社での人員の定着率が思わしくないときに、給与などの待遇面の改善だけでなく、ワークプレイスラーニングの整備にも目を向けてもらいたいと思います。 最後までお読みいただきありがとうございました。 関連コンテンツ コンテンツライブラリ マイクロe-ラーニング
- ダイバシティ・マネジメントとは
前回は「ダイバシティ」の意味をご説明しました。ダイバシティの歴史や企業に取り込むとどうなるか、メリットや課題などをご説明いたしました。 今回は少し具体的な話として、具体的な運用や推進するための施策としての「ダイバシティマネジメント」についてご説明させていただきます。 目次 ダイバシティの本質は「視点の多様性」 誰にでも潜在的にある「無意識の偏見」 ダイバーシティ・マネジメントとは ダイバーシティ・マネジメントの流れ ダイバシティ推進施策 「ダイバーシティ講演」 ダイバシティ推進施策 「ダイバーシティ研修」 ダイバーシティ導入の成功事例 最後に 関連コンテンツ ダイバシティの本質は「視点の多様性」 前回のおさらいですが、(特に日本で)ダイバシティが誤解されている点として、必ずしも「ダイバーシティ=女性活用ではない」ということがありました。 表面的に見ると、性別・国籍などの単なる人材の多様化と理解されている場合が多いのですが、本来は「市場の要求の多様化に応じて、企業側も人種、性別、年齢、信仰などにこだわらずに多様な人材を生かし、最大限の能力を発揮させようという考え方」です。 つまり、「ダイバーシティの本質」は、性別・人種の多様性ではなく、その人達の持つ「視点の多様性」なのです。いろんな視点をもった様々な属性の人を集めて、彼らの物事の捉え方や分析・評価を「視点」としてビジネスに活かしていくことです。さらに、その多様な視点が活かされる組織づくりをしていくことが経営者の役目であり、それができる企業が、ダイバシティな組織として、社会からも認められ、支持を得て成長するのです。 では「多様な視点が活かされる組織」とは、どういう組織なのでしょうか? それは性別・人種だけでなく、様々な背景、出身、年齢などの多様な人が採用され、それらの人たちが自分の考えを提案したり議論できる場や研修機会などがあり、正当な人事評価がされ、社内でのキャリアの道も開かれ、平等に裁量や出世機会が与えられるような組織です。 そのような組織にするためには、単純に女性やトランスジェンダー、外国人などを雇うだけではだめでした。異質ゆえの表現差や考え方の違いなどから、軋轢・摩擦・対立・誤解が発生し、それがチームワーク・パフォーマンスの低下や大きなトラブルに発展する危険をはらんでいるからです。 ダイバシティ推進の施策について話す前に、このトラブルを引き起こす摩擦や誤解のもととなる「偏見」について、もう一度考えてみたいと思います。 誰にでも潜在的にある「無意識の偏見」 ダイバシティ推進の課題として、表立って目には見えないが、実は大きな問題として「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」があります。 社会人としてしっかり生活できている人は、「自分は偏見(バイアス)など持たず、良識的で、客観的に行動できている」と信じているかと思います。しかしながら、実験研究や調査結果により、誰でも人間はみなバイアスを持って人と接してることが明らかになっています。 ではその「偏見(バイアス)」とは一体何なのでしょうか? 辞書的には「偏った見解。中正でない意見。客観的な根拠なしに人や集団を判断すること」とあります。 「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」とは、「自分自身が気づかずに持っている偏った見方・考え方」と言う意味になります。 この「無意識の偏見」は、さまざまな望ましくない影響を組織にもたらし、ダイバーシティ推進の阻害要因となると言われています。 それは、人が「偏見」により、瞬間的に事実やデータに基づかずに、人や集団を判断してしまうからです。この際に十分な根拠なしに行っているため、正しくないことが多々あり、「偏見」はさまざまな場面での意思決定にゆがみを与え、まちがった判断に導いてしまうのです。 例えば、「若い社員は根性がない」「女性は気が弱いので管理職に向いていない」「年配の社員はパソコンが苦手である」「アメリカ人は仕事より家庭が大切」といった感じです。 こうした偏見は、些細な言動という形で表れ、職場の人間関係やパフォーマンスを悪化させます。また、こうした偏見が、採用、評価や昇進などに影響を及ぼし、女性や少数派の管理職率の低さという結果の原因になっていると指摘されています。 このように無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)は、組織と個人へネガティブな影響を与えます。残念ながら無意識の偏見を完全になくすことはできません。しかし、あきらめずにダイバシティを推進する中で、自分自身の持つ無意識の偏見に気づかせることが大切です。そして、無意識の偏見について認識し、正しい知識を身につけることで、意識して適切な行動を取ることができるようになるはずです。 「無意識の偏見」は課題の一例ですが、ダイバーシティをうまく機能させるためには、さまざまな努力が必要です。そのためには、後程説明する施策や「ダイバシティ・マネジメント」で、アンコンシャス・バイアス研修やトレーニングを取り入れ、社員の意識を高めていく必要があります。 ダイバーシティ・マネジメントとは ダイバーシティを効果的に進めることができた企業は、多様な社員の違いを戦略的に活かすことで企業の競争力強化につなげています。 マネジメントにより、「多様な社員の違いを受け入れ、戦略的に活かすことで企業やチームの生産性やパフォーマンスの向上を図る」ことが、「ダイバーシティ・マネジメント」です。 「ダイバーシティ・マネジメント」にはいろいろな定義があります。 wikiでは「個人や集団間に存在するさまざまな違い、すなわち「多様性」を競争優位の源泉として生かすために文化や制度、プログラムプラクティスなどの組織全体を変革しようとするマネジメントアプローチのことである。」とあります。 またハーバードビジネスレビューでは、「誰も有利または不利にせず、全従業員が生産性高く働くことができる環境を築き上げる統合的なマネジメントプロセス」と定義しています。 一般的には、「多様性を促進し、最大限活用することにより、企業パフォーマンスを向上させる環境を創る組織的プロセス」と言われます。 ダイバーシティ・マネジメントは、プログラムではなく、プロセスと言われるのは、あらかじめ決められた手続きや数値目標ではなく、実際の取り組みのプロセスで問題点や解決策が見つけ出されるといった、長期的な観点が重視されているからです。 ダイバーシティ・マネジメントの流れ では自社のダイバシティ化を目指して、ダイバーシティ・マネジメントを始めるには、どういった流れで行えばいいのでしょうか? ここでは、従業員のほとんどが日本人である企業をイメージして見てください。 ① 組織のトップが多様性向上を目標として宣言する 企業文化はトップが「今日から変える」と言ったからと言って、すぐ変わるものではありません。しかし、長い道程であるがために、トップが最初にゴールを示してあげる必要があります。また同時に、何故これがゴールであるかも示す必要があります。「これからのグローバルな競争で勝者になるためには従来のやり方だけでは不十分なので、戦略の多様性を高めることを目標に、5年かけて社内の多様性を高める」などと全社員に向けてビジョンを宣言してもらうことが必要です。 宣言のポイントとしては、具体的な数字を盛り込むことも大切です。 例えば「2025年までに、10か国以上の海外拠点の国籍の社員を本社の5%にする」と言った感じです。すると社員は目標に向けて期日までに、「各々が何をしなければならないのか」をイメージしやすくなります。 ② 評価制度に「多様性向上への貢献」を組み込む 会社のビジョンに社員が賛同し、いくら多様性向上に取り組んでも、それが昇給などの形で評価されないことだとしたら、次第にモチベーションは下がってしまうかもしれません。それを防ぐ意味でも、「多様性向上に注力した社員を評価する」ことは必要です。特に管理職の評価制度に「多様性向上」を組み込むと効果的です。 多様性を高めた上で好成績を収めたチームを社内報で大きく取り上げるなども良い取組みです。 このように社員の動機付けをし、多様性向上に自発的に取り組むよう差し向けることが重要です。 気を付けるのは、多様性向上に貢献しなくても給料は下がらないが、貢献すると給料が上がる、というインセンティブのような位置付けにするなどにしないと、社内で反発が生じるケースもあります。単に評価項目として加えて、結果、給料が下げられてしまうと、そのマイナスの感情がメンバー間の軋轢に転じる恐れがあるからです。新しい概念を評価制度に組み込む際には、細心の注意が必要です。 ③ 研修など多属性のディスカッションを訓練として定期的に行う ダイバーシティが目標として決まれば、次は「多様性を受け入れる訓練」を行います。 しかしながら、実際に「多様性ある人材を受け入れる」には時間もかかりますし、何より人材が入って来ていきなり衝突しないように、既存のメンバーの意識を多様化に対応させておく必要があります。 例えば、今の段階で人種や男女比率が「多様性でない」組織の場合は、多様化する前の準備として「部署や階級を越えたグループ」で実施することにより、実際の多様性に近い訓練になります。 具体的には、営業・開発・マーケティング・人事など機能の違う各部署が、管理者と社員を同じ部屋に集めます。そして、「自社の強み・弱みとは?」「自分の立場から見た自社の課題とは」「顧客から見た自社のイメージとは」「今後の自社の方向性は」などを議論させます。 おそらく各部署、立場が違えば、出てくる意見も異なると思います。そうすることで、一方が見えていないことを相手は見えているということを認知させるのです。つまり、一方の立場からだけでは知り得ない情報を共有することができる「場」を用意してあげるのです。 このようなディスカッションを毎回違う構成員で定期的に行うことで、違う考えを持つ人同士の関わり方に組織全体が慣れていく訓練になります。 こうした訓練を「多属性ディスカッション」と呼んでいます。 “(参考)多属性ディスカッションはどの企業でも役に立つ” 現状の「社内に眠る多様性」を利用して、組織のダイバーシティ訓練を可能にするのが、「多属性ディスカッション」です。部署や階級が違えば、考え方は大きく異なります。 例えば、経営層や管理職は数字を通して「大局」からものごとを考える一方、末端の社員や現場の責任者は、顧客や実務を通して「個」からものごとを考えるのではないかと思います。もちろん双方正しいのですが、逆の立場から考えることは極めて難しいため、下は「上はわかってない」、上は「現場はなにをやっているんだ」といった不満が生じます。こうした社内に眠る多様性から生じる問題があるということは、部署や階級間でのダイバーシティマネジメントがうまくできていない状態と言えると思います。これを「多属性ディスカッション」で解決していくのです。 ④ チェンジエージェントを見つけて活用する 「チェンジエージェント」とは「変化の触媒となる人材」のことを指します。自社内で「チェンジエージェント」を見つけ、ディスカッションのファシリテーションをさせると効果的です。 チェンジエージェントは誰でもできるわけではなく、向いているタイプがあります。 具体的には「複数の部署での勤務経験を持っている」「敵や味方を基準にものごとを考えず、目標を基準にものごとを考える」「合理的で意欲的」なタイプです。チェンジエージェントが部署や階級の橋渡しをすることで、建設的な、質の高いディスカッションができるようになります。 ①②を社員に周知することにより、社員の目標となり、動機が生まれます。 ③④は多様性を受容し、活用するための訓練です。 ダイバーシティマネジメントは一朝一夕では成りません。長い年月をかけて行って、はじめて成果が表れるのでハードルが高いのです。それでも世界のトップ企業がこれに取り組むのには、それだけの価値があるからです。 ダイバシティ推進施策 「ダイバーシティ講演」 ダイバーシティの推進には、多様性を尊重する職場環境を促進してチームワークを高め、全社員が平等に組織に参画できるようにする必要があります。「ダイバーシティ講演」は、ダイバーシティの基本的知識をはじめ、ダイバーシティ推進に必要な意識と行動変革に関わる内容を講演するものです。 講演の内容としては、以下のような内容が話されます。 ダイバーシティ講演の内容 労働人口構成や社会環境の変化とその影響を学びダイバシティの必要性を知る ダイバーシティの基本的知識を学び、組織の多様性とは何かを理解する ダイバーシティのメリットと課題を理解する 自らの偏見を知り、「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」に気づく 「ダイバーシティ」と「パフォーマンス」の関係を理解する 事例を通してダイバシティの認識を深める ダイバシティ推進施策 「ダイバーシティ研修」 ダイバーシティの研修例には、基礎的な内容を学び、偏見を取り去り、チームワークを高めるための「ダイバーシティ研修 (管理職・一般社員向け研修)」と、ダイバシティ環境をマネジメントし、スムーズな活動を維持する「ダイバーシティ・マネジメント研修 (管理職向け研修)」があります。 一般社員向けの「ダイバーシティ研修」では、ダイバーシティの基本と本質を理解し、多様な人たちと効果的に協働し、チームワークと生産性を向上させていくための知識、意識とハウツーを学び、組織と個人の成長へつなげます。 具体的には、ダイバーシティの基本と本質の説明、チームワークと生産性を向上させていくための知識を身に着け、具体的な演習やディスカッションを組み入れ、参加者同士の意見交換と経験の共有化を促進し、お互いに刺激しあいながら学んでいきます。意識と行動変革の両面から、ダイバーシティを「体得」するのが目的です。 「ダイバーシティ・マネジメント研修」は、主に職場環境のマネジメントを司る管理職に向けの研修です。 異なる属性、背景や価値観を持つ部下を上手にまとめ、チームの目標達成に導くダイバーシティ・マネージメントの意識、知識とスキルを学び、職場での実践へつなげます。 講義等で「ダイバーシティ」と「パフォーマンス」の関係を理解させ、従来のマネジメントとダイバーシティ・マネジメントの違いを認識することから始めます。ダイバーシティ・マネジメントの具体的な知識とスキルを学びます。 例えば、メンバーが持っている「無意識の偏見」への対応を考えたり、マネジメント実践へ向けての行動計画を作成するといったことも行います。 演習やディスカッションを組み入れ、参加者同士の意見交換と経験の共有化を促進し、お互いに刺激しあいながら学びます。 ダイバーシティ導入の成功事例 それではここで、国内のダイバーシティ導入の成功事例を、概要ですが、いくつかご紹介してみたいと思います。 ベネッセホールディングス ベネッセと言えば、「教育・子育て」などの生活者の視点が重要なサービスを展開しており、女性の活躍推進には四半世紀以上の歴史を持つダイバシティ企業です。従業員の55.4%が女性であり、管理職も32.1%を女性が占めています。女性のライフキャリアの研修や、ワーキングマザー向けの他社社員との座談会など女性のワークスタイルを支援する取組みも先進的に行われてきました。 さらに「多様な人材を受け入れられる風土、障がい者雇用もあたりまえになっている状態」を目指し、障がい者雇用率も2.11%となっています。国内だけでなく、グローバルな人材を東アジア中心に、70以上の国と地域で人材を採用しています。 日本GE株式会社 日本GE株式会社はトーマス・エジソンが創業した米ゼネラル・エレクトリック(GE)の日本法人で、家電から不動産ファイナンスまで幅広い分野でビジネスを行う企業です。 ダイバーシティ経営のための取組みとして、「人材育成と研修制度の充実」を推進し、その結果女性のキャリア育成が促進され2014年での女性管理職は27%となりました。経済産業大臣表彰「平成26年度ダイバーシティ経営企業100選」にも選出されています。 他にも「GLBTA(ゲイ・レズビアン・バイセクシュアル・トランスジェンダー・アンド・アライズ)」などの活動も盛んに行われています。 日産自動車株式会社 日産自動車では、研修やメンター制度などの活動を推進するダイバーシティ専門の部署を設置しています、「ジェンダー・ダイバーシティ」に力を入れており、女性幹部職は6.8%(2014年)であるのを、2017年までに女性幹部職を10%にする事を目標に掲げています。 その結果、女性に非常に人気のある人気車種「ノート」の開発をはじめ、女性の登用で多くの利益を生み出しました。 また多様性のある客層に対応ができる優秀な従業員の維持に成功しており、世界約170カ国で展開する日産自動車にとっては事業運営の要とも言えます。 日本IBM株式会社 IBMはアメリカで「機会均等法」が制定される以前に、初めて黒人女性を雇用した企業です。それだけに、ダイバーシティへの着目が世界的に早く、1998年に「女性活躍推進プロジェクト」をスタートさせています。 世界的にも早い段階からダイバーシティ・マネジメントに取り組んできたIBMは、「人種・肌の色や宗教に関わらず平等な条件で雇用する」と機会均等ポリシーを発表してから既に50年以上が経過しています。 現在では、「女性の能力活用」だけでなく、「管理者層の多様性の促進」「文化的相違の受容と認知」「障がいのある人々およびLGBTの能力の最大化」「ワークライフバランス」など、さまざまなダイバシティ・マネジメントを行ってきた企業です。 サントリーグループ サントリーグループは特に「障碍者雇用」の面で先進的に取り組んでいる企業です。障がい者手帳を持つ従業員に特別休暇を与える「ハンディキャップ休暇」など働きやすさを追求した様々な制度を導入しています。 2011年にダイバーシティ推進室を設置し、2015年より全従業員に向けた「サントリーグループ・ダイバーシティ通信”いろどり”」を発刊ました。このダイバーシティ通信「いろどり」は、経営トップメッセージや現場事例の紹介、また実際に障がいを持ちながら働く社員などを紹介し、ダイバシティの取り組みを啓蒙するためのツールとして活用されています。他にも「障がい」「LGBT」など様々なテーマのセミナーを実施しており、後にDVD化されたものは延べ3,300名に視聴されています。 最後に 「ダイバシティ」の考え方は、外国人の子女が学ぶ学校などでも教えられています。つまり、教育の過程でも、多様な価値観の中で考え、影響を受けながら学ぶという「ダイバーシティ」の考え方は、これからの時代において非常に大切なのです。 21世紀は、世界的に加速度的な変化が進み、国内外での競争が激化しています。いずれ競争力を得るためのイノベーションが生まれ、日本でも移民が始まり、人々の属性や価値観、消費者ニーズも多様性します。 今の会社組織は、もはや過去の日本的年功序列制度のように、定年までのんびり働いていればOKのいう場所ではなくなりました。常に自分を高め、いかに組織に貢献するかが問われる時代になったのです。 違ったものの見方ができる人が集まる組織が、健全であり、強いのです。そして、この多様性がビジネスにおける競争力の源泉となるのです。実際にダイバーシティを効果的に進めた企業では、多様な社員の違いを戦略的に活かすことで企業の競争力強化につなげた事例が数多く出ています。社員一人ひとりの違いが不利にならず、全社員が持っている能力と可能性をフルに発揮して貢献できるよう、ダイバーシティを推進していくことが企業の将来の繁栄へつながっていくでしょう。 ダイバーシティ施策が単なる福利厚生や社会的責任で終わってしまわないように、自社のダイバーシティの定義と属性を決め、推進理由と企業メリットへつなげる具体策を説明し、全社に浸透させる必要があります。そして、ダイバーシティ環境を整えながら、社員一人ひとりがダイバーシティへの正しい理解を共有化し、実践に向けての意識と行動変革を促していくのです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 関連コンテンツ コンテンツライブラリ マイクロe-ラーニング マネジメント向けコンテンツ