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階層別教育とは(その2)

前回に引き続き、階層別教育の続きの説明になります。 今回は「若手・中堅教育」「リーダー教育」「管理者・マネジメント教育」について、簡単にお話してみたいと思います。



目次



若手・中堅教育とは

会社によって定義は若干異なりますが、ここで「若手」とは入社1~3年目、「中堅社員」は入社3年目以降で、主任や課長などの役職についていない社員を指してお話いたします。


若手と異なり中堅になると、自分1人である程度の業務を遂行できる能力を持っていると認識されます。それゆえ、入社して間もなくても、前職の経験がある場合は中堅社員と呼ばれることもあります。


組織の10~20年後を見据えて、中核となる人材を育てるために、若手や中堅社員に行うのが「若手・中堅社員研修」です。 日本企業では、新入社員教育と管理職を対象にした教育はそれなりにカバーしているのですが、若手・中堅層への教育はやってなかったり、とても手薄だったりします。 また、そのような日本独特の背景もあり、若手・中堅層への教育はOJTなどが中心で、管理職が部下に直接関与する機会が少なく、さらに管理職の指導スキルがバラバラだったりすることから、若手・中堅の成長度に波がありがちです。若手・中堅層教育はこうした「ばらつき」を修正し、若手・中堅層のボトムアップを図る大切な機会になります。


また社員の気持ちの面でも、業務内容や役割に大きな変化のない2年目~8年目は、将来への先行きが見えず、モチベーションが下がりやすくなると言われています。若手・中堅層が仕事へのやる気や積極性が見られない場合、この若手・中堅教育を通して、主体性や当事者意識を強く持たせ、モチベーションを上げさせる必要があります。


会社組織を成長させるのに必要と言われる「自律型人材」を育成するためにも、この早期のタイミングで「当事者意識」と「業務推進力」を強化する教育を実施すると効果が高いと言われています。


そのほかに、早期から取り組むと効果が高いポータブルスキル(コミュニケーション、思考力)の向上も、中堅研修によく行われます。 コミュニケーションのスキルは、以前はリーダー研修などで行われるのが多かったのですが、「リーダーになってからでは遅く、意味がない」ということで、早くからコミュニケーションスキル向上のプログラムを中堅教育に組み込む企業が増えています。 メンバーとのコミュニケーションだけでなく、商談などで意思伝達を円滑化する技術を使って、顧客や上司との関係づくりが上手い社員を育てることは、戦略上高い効果が期待できます。


参考までに、弊社で取り扱っている若手・中堅教育教材のメニューをご紹介します。



若手・中堅教育教材の教育プログラム例

 

コミュニケーション

ミーティングや議論の場での、相手に合わせた会話のコツ、アイディアを広げ、適切な主張をするための技術、交渉や様々な話法など、周囲とより良い関係を築き、信頼を勝ち取るための、コミュニケーションのスキル。傾聴の技術、質問の技術、人を動かす技術、アサーティブ・コミュニケーション、ネゴシエーションなどを学びます。


ビジネスマインド

「会社とは何か」「仕事とは何か」「組織との関わり方」といった、組織のメンバーとして成果を上げていくうえで理解しておきたい、会社組織の基礎知識や、仕事に対する考え方、姿勢の原則などを学習します。モチベーション、仕事と責任について、会社の仕組み、会社の数字などを学びます。


ビジネススキル教育

仕事で成果を上げ、チームの一員として期待される基本的な役割を果たせるようになるための様々なビジネススキルを学び直します。具体的には、仕事の進め方、ビジネスコミュニケーション、問題解決、タイムマネジメント、ビジネス文書やメール、FAXなどのマナーやスキル、アイデア発想法、QC基礎、与信管理と契約などです。


キャリアデザイン

自分らしい良いキャリアを築くために必要なポイント、様々なキャリアの考え方を解説します。また、仕事や社会、組織との関わり方、働く意味を整理するためのワークを行います。


ロジカルシンキング

論理的、ロジカルであることは、人に何かを説明したり、文章を書いたり、仕事をするうえで重要な要素です。また、論理的な意見や主張をするためにも、問題点を明確にしたり、解決策を整理するうえでも欠かせません。ここでは、その定義から必要な基礎スキル、ビジネスでの応用の仕方まで、ロジカルシンキングの基本を学びます。

 



リーダーとは

中堅社員には漏れなくリーダーとしてのスキルが求められます。そして、そのリーダー候補の中堅社員に効果的な教育を行うために必要なのが「リーダー教育」です。


「リーダー教育」を考える上で「リーダーとは?必要なスキルとは?」を考える必要があると思います。 リーダーの大切な役目は、自分たちの進むべき方向性示す、つまり組織目的やビジョンを掲げるのがリーダーの最初の役割です。そのためには組織目標を理解し、正しい方向性を考える力が必要です。


また、リーダーはメンバーがその組織の目標に向かって進めるように、組織の環境を考える必要があります。そのためには、現状の仕事におけるチームの課題を見つけられる力がなくてはいけません。課題を見つけ、問題点をクリアにするためのスキルも必要です。


目標を示し、環境を整えプロジェクトを進めていく中で、リーダーは仕事のアサインや進捗のマネジメントなど、人を動かして円滑に仕事を進めなくてはいけません。そのためには、手本となりメンバーと関係を築くコミュケーションスキルや、メンバーの業務意欲をわかせるモチベーションスキルが必要となるはずです。


こうしてリーダーに必要な能力を考えると、自社にいる中堅社員が物足りなく見えてくるかもしれません。 事実、多くの企業では中堅社員のリーダー育成に関する大きな問題を抱えているようです。 近年の組織形態の流行りである「組織のフラット化」でも、リーダーポジションが形骸化しているケースが見られます。 また、中堅社員の中には、1プレーヤーとして役に立つスキル形成だけに興味を示し、組織リーダーとして機能するための能力形成には興味を持っていない人も結構いるようです。


リーダーとしてのスキルを身につける意欲が低いことに加え、組織のフラット化により中堅リーダーの役割が変わり、中堅リーダーが育ちにくい環境に陥っている今こそ、企業は「リーダー教育」を早急に考える必要があると思います。


参考までに、弊社で取り扱っているリーダー教育教材のメニューをご紹介します。



リーダー教育教材の教育プログラム例

職場のチームリーダーとして、また次期管理者として身に着けておきたい、人と組織を動かしチームで成果を上げていくために必要なスキルを学ぶ講座です。

 

チームマネジメント

チームの生産性を高めるために、職場のチームリーダーに求められる役割や身に着けておきたい人と組織を動かすための知識とスキルを学びます。内容は、仕事の管理、チ-ムビルディング、改善と問題解決、部下の育成、マネジメントの基本、職場のダイバシティなどです。


コミュニケーション

ミーティングや議論の場での、相手に合わせた会話のコツ、アイディアを広げ、適切な主張をするための技術、交渉や様々な話法など、周囲とより良い関係を築き、信頼を勝ち取るための、コミュニケーションのスキルを学習します。具体的には、傾聴の技術、人を動かす技術、相手を知る/自分を知る、アサーティブ・コミュニケーション、ネゴシエーション、説得の技術、質問の技術などです。


キャリアデザイン

自分らしい良いキャリアを築くために必要なポイント、様々なキャリアの考え方を解説します。また、仕事や社会、組織との関わり方、働く意味を整理するためのワークを学習します。キャリア自律、キャリアの考え方、ワークなどです。


ロジカルシンキング

論理的、ロジカルであることは、人に何かを説明したり、文章を書いたり、仕事をするうえで重要な要素です。また、論理的な意見や主張をするためにも、問題点を明確にしたり、解決策を整理するうえでも欠かせません。ここでは、その定義から必要な基礎スキル、ビジネスでの応用の仕方まで、ロジカルシンキングの基本を学びます。 内容には、演繹法と帰納法、因果関係、MECE、ロジックツリー(LT)、ピラミッドストラクチャー(PS)などを含みます。


育成と指導

人材育成や能力開発は人事・教育部門の役割ですが、その一方で業績を高め仕事の成果を上げるには、職場のチーム全体の力を高めていくことが欠かせません。つまり、部下や後輩を指導育成することはチームのリーダーや管理者の責任でもあるということが言えます。 ここでは、職場での仕事を通じた人材育成のポイントと研修設計のポイントといった、OJTとOff-JTの両面から組織の人材育成について学習します。OJTの進め方、コーチングの進め方、勉強会のテクニック、インストラクショナルデザイン、研修の設計などを学びます。


戦略/フレームワーク

フレームワークとは、全体の要素をダブりやモレのない状態で整理した考え方の枠組みのことです。状況の分析や問題の整理、企画やアイデアをまとめるときなどに活用すれば、仕事を効率的に進めることができるため、仕事の生産性やアウトプットの質を高めるためには、欠かせないものです。 ここでは、汎用性の高いものを中心に代表的なフレームワークを学習します。具体的には、戦略思考、環境分析フレームワーク、規模の経済と経験曲線、戦略構築、計画・企画、実行などを学習します。

 

管理者・マネジメント教育

トレンドというほどではありませんが、ここ10年以上前から管理職研修・マネジメント研修についてのニーズは高まっていると感じています。


ビジネス環境の変化のスピードアップ、グローバル化やダイバシティ促進によるメンバーの多様化、働き方改革、プレイングマネジャー化など、管理職・マネジメント職を取り巻く状況は大きく変化しているからでしょう。要求されるスキルの変化が激しいのが管理者・マネジメント教育の特徴です。


弊社の営業活動の中から見て取れる、「日本のマネージャー教育の悩みトップ3」は下記の3つです。


 
  1. プレイヤーからマネジャーへの転換がうまく行かない新任管理者が多い

  2. 部下とのコミュニケーションがうまく行かない

  3. 経営視点を持たない管理職が増えている

 

プレイヤーからマネジャーへ変わる「新任管理者」に最初に必要とされるのが「管理職としての必須の知識」です。人事労務管理など、それまでの中堅時代はタッチしなかった新たな業務に直面し、正しく処理できない新任管理者は多いようです。この問題は比較的昔からありました。管理職研修の最初にケアしていた部分です。


次の「部下育成」や「コミュニケーションの問題」も、上司という立場になるとよりシビアに直面します。プレイングマネージャーとして働く管理者の中には、部下育成の時間もスキルもないため、ひたすら自分が数字を出し続け、組織としての動きまで気が回らなくなっている状態の人もいます。


プレーヤーとして優秀でも、コミュニケーションスキルがない管理者は、「名選手は名監督にならず」の状態に陥りやすいものです。部下の悩みを聞いて解決したり、成長につながる目標設定の指導ができないと、そのマネージャーが担当する組織は成長しません。 管理者のコミュニケーションスキルの教育は、昔からの管理者教育のトップテーマです。


コミュニケーションスキルに続き、近年重要視されているのが、管理者の「経営視点を磨く」教育です。 労務管理や部下育成はうまいのに、現場のマネジャーとしての視野しか持たず、経営企画・事業企画について積極的に意見参加してこないという管理職がいます。これは経営者的視点に欠けているからです。将来の経営幹部や、事業リーダーとしての期待や役割を理解し、自社の強み・弱みを経営視点からとらえ、自分なりのイメージを持って語れるように、マネジメント教育の中で意識させる必要があります。


また、近年の新たな傾向として、「ハラスメント」や「セキュリティ」「コンプライアンス」などの教育を、マネジメント教育の課程で行うのも多くなってます。


「ハラスメント」については、上司としてのふるまい、特に「昔の日本式会社流」がハラスメントにつながることを抑止するために、今の時代に合った接し方を学ぶ内容です。管理者自身だけでなく、チーム内でのハラスメントにも目を光らせなくてはいけません。


「セキュリティ」については、年配管理者が不得意とする分野です。「むずかしいコンピューターのことは苦手だ」という年配管理者だけでなく、比較的若い管理者も、情報収集力やセキュリティ意識が低いことが多く、結果自分の部署がセキュリティトラブルの温床となっているケースもあります。


「ハラスメント」同様、「コンプライアンス」もあまりうるさく言われなかった昔の意識と今の時代のギャップを埋めるために必要です。


このように管理者・マネジメント教育は守備範囲も広く、ここに至るまでに身に付けるスキルも下地となっているため、教育研修のコースも多岐に及びます。


参考までに、弊社で取り扱っている管理者・マネジメント教育教材のメニューをご紹介します。



管理者・マネジメント教育教材の教育プログラム例

管理者に求められる人と組織を動かすスキルに加えて、戦略構築や組織とビジネスの現状把握、分析、見直しをしていくためのスキルを学ぶ講座です。

 

チームマネジメント

チームの生産性を高めるために、職場のチームリーダーに求められる役割や身に着けておきたい人と組織を動かすための知識とスキルを紹介します。仕事の管理、チ-ムビルディング、改善と問題解決、部下の育成、マネジメントの基本、職場のダイバシティなどを学びます。


コミュニケーション

ミーティングや議論の場での、相手に合わせた会話のコツ、アイディアを広げ、適切な主張をするための技術、交渉や様々な話法など、周囲とより良い関係を築き、信頼を勝ち取るための、コミュニケーションのスキルを幅広く紹介します。傾聴の技術、人を動かす技術、ソーシャルスタイル、相手を知る/自分を知る、アサーティブ・コミュニケーション、ネゴシエーション、説得の技術、質問の技術などを学びます


ロジカルシンキング

論理的、ロジカルであることは、人に何かを説明したり、文章を書いたり、仕事をするうえで重要な要素です。また、論理的な意見や主張をするためにも、問題点を明確にしたり、解決策を整理するうえでも欠かせません。ここでは、その定義から必要な基礎スキル、ビジネスでの応用の仕方まで、ロジカルシンキングの基本を解説します。内容には、演繹法と帰納法、因果関係、MECE、ロジックツリー(LT)、ピラミッドストラクチャー(PS)などを含みます。


マーケティング

戦略策定や企画立案、企業活動の戦略理解のために有用な、マーケティング戦略に関するコンセプトとフレームワークを解説します。 ビジネスにおける戦略構築に必須の基本的なキーワードを広くカバーしているので、個々人の企画立案やアイデア発想、状況分析の質の向上はもちろん、チームでのディスカッションの共通言語として、コミュニケーションの活性化、業務品質向上にも有効です。学習内容は、ニーズとSTP、4P戦略、規模の経済と経験曲線、ブランド戦略と購買モデルなどを学びます。


経営戦略

企画立案や企業活動の戦略理解のために有用な、経営戦略と戦略発想のためのフレームワークを解説します。 ビジネスにおける戦略構築に必須の基本的なキーワードを広くカバーしているので、個々人の企画立案やアイデア発想、状況分析の質の向上はもちろん、チームでのディスカッションの共通言語として、コミュニケーションの活性化、業務品質向上にも有効です。学習内容は、全社戦略、事業戦略、環境分析フレームワーク、成長戦略とイノベーションなどです。


経営分析

経営分析とは、財務諸表から得られる数値を分析・比較・検討して、企業の財政や経営状態を把握することです。財務諸表にある実数の大きさだけで無く、数値の比率を取ることによって規模や業種の異なる企業を比較でき、企業がどういう状況にあるのかを分析する事ができます。 ここでは、収益性、効率性、安全性、成長性という分析項目について代表的な指標を解説します。学習内容は、収益性分析、効率性分析、安全性分析、成長性分析などを学びます。


戦略/フレームワーク

フレームワークとは、全体の要素をダブりやモレのない状態で整理した考え方の枠組みのことです。状況の分析や問題の整理、企画やアイデアをまとめるときなどに活用すれば、仕事を効率的に進めることができるため、仕事の生産性やアウトプットの質を高めるためには、欠かせないものです。ここでは、汎用性の高いものを中心に代表的なフレームワークを学習します。具体的には、戦略思考、環境分析フレームワーク、規模の経済と経験曲線、戦略構築、計画・企画、実行などを学習します。

 




最後に

前回と2回に分けて、階層教育について簡単にご話させていただきました。どの階層もまったく教育をしていないという企業は少ないと思います。まんべんなく全ての階層に教育するのが理想ですが、事業形態など集まって研修するために、多大な調整作業やコストがかかるケースも多いと思います。手前みそではありますが、まずはeラーニングから階層別教育を試してみてはいかがでしょうか?


最後まで読んでいただきありがとうございます。



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