ライフキャリアの考え方とは?キャリアレインボーについても解説!
- 1月30日
- 読了時間: 13分

ライフキャリアとは、仕事だけでなく趣味や家庭など人生におけるすべての役割を統合して捉える考え方です。
変化の激しい現代において、自分らしい生き方を設計するためにこの考え方が注目されています。
この記事では、ライフキャリアの基本的な意味から、自己分析に役立つ「ライフキャリア・レインボー」というフレームワークまでを詳しく解説します。
このレインボー理論を参考に、自身のキャリアを見つめ直してみましょう。
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目次
人生全体で考える「ライフキャリア」とは?
ライフキャリアとは、職業上の経歴だけでなく、家庭生活、趣味、地域活動、学習といった個人の人生におけるすべての経験や役割を統合した、生涯にわたるキャリアを意味する言葉です。
従来のキャリアの定義が仕事中心であったのに対し、ライフキャリアはより広範な視点で人生全体を捉えます。
このアプローチでは、仕事とプライベートは切り離されたものではなく、相互に影響を与え合う一体のものとして考えます。
仕事だけではない!従来のキャリアとの考え方の違い
従来のキャリア論は、主に就職から退職までの職業人生に焦点を当てていました。
昇進や昇給、専門スキルの習得といった、組織内での地位向上や経済的な成功が主な関心事でした。
しかし、ライフキャリアの考え方では、職業人としての役割は数ある役割の一つに過ぎません。
例えば、親、配偶者、地域の一員、趣味を楽しむ個人といった、仕事以外の役割もすべてキャリアの一部と捉えます。
このように、人生のあらゆる側面を包括し、それぞれの役割のバランスを取りながら自分らしい生き方を追求する点が、従来のキャリア論との根本的な違いです。
なぜ今ライフキャリアという考え方が重要視されるのか
現代社会は、終身雇用制度の揺らぎや働き方の多様化、人生100年時代の到来など、大きな変化の渦中にあります。
一つの企業で定年まで勤め上げるというキャリア展望が当たり前ではなくなり、個人は自らの手で人生を設計していく必要に迫られています。
このような状況下で、仕事だけの成功を追い求めるのではなく、変化するライフステージや価値観に合わせて、仕事とプライベートのバランスを柔軟に見直すというライフキャリアの考え方が重要視されるようになりました。
将来の予測が困難な時代だからこそ、人生全体の幸福度を高めるための指針という課題を解決する上で、この考え方が有効です。
自分の人生を設計する「ライフキャリア・レインボー」という考え方
「ライフキャリア・レインボー」とは、キャリア研究の第一人者であるドナルド・スーパーによって提唱された、人の一生におけるキャリア発達を視覚的に表現する理論です。
この理論では、人生を時間の経過(年齢)と役割(ライフロール)という2つの軸で捉え、それらを虹の重なりとして描きます。
スーパーは、人が生涯で担う様々な役割が、虹のように重なり合いながらキャリアを形成していくと考えました。
このレインボーのモデルは、自分の人生を客観的に見つめ直し、将来を設計するための有効なフレームワークとして知られています。

【年齢で分類】5つのライフステージで人生の段階を理解しよう
ライフキャリア・レインボーでは、人の一生を年齢に応じて5つのライフステージに分類します。
具体的には、身体的に成長し自己概念を形成する「成長段階」(0~14歳)、社会に出て様々な経験を積む「探索段階」(15~24歳)、特定の分野で専門性を高め安定を図る「確立段階」(25~44歳)、築いた地位を保ち続ける「維持段階」(45~64歳)、そして仕事をリタイアし新たな活動に移行する「解放(下降)段階」(65歳以上)です。
自分が現在どのライフステージにいるのかを理解することで、その時期に特有の発達課題や心理的なテーマを把握し、次へのステップを考えるための手助けとなります。
【役割で分類】人生における9つのライフロール(役割)を整理する
ライフキャリア・レインボーでは、人は生涯を通じて様々な役割(ライフロール)を担うと考えられています。
スーパーは主なロールとして、「子ども」「学生」「職業人」「配偶者」「家庭人」「親」「市民」「余暇人」「年金生活者」の9つを挙げました。
これらの役割は、人生のある時期に集中して現れたり、複数の役割を同時に担ったりと、人によってその重要度や関わる時間は異なります。
例えば、ある時期は「職業人」と「親」の役割が中心になるかもしれません。
自分の人生において、どのロールを重視してきたか、またこれから重視したいかを整理することが、キャリアを考える上で重要です。
ライフキャリア・レインボーを活用して自分の人生を描く4ステップ
ライフキャリア・レインボーの理論を理解したら、次はその考え方を用いて自分のライフキャリアを具体的にデザインしていきましょう。
自己分析を通じて現在地を把握し、過去を振り返り、未来を描くというステップを踏むことで、より納得感のあるキャリア形成が可能になります。
ここでは、ライフキャリアデザインを実践するための具体的な4つのステップを紹介します。
このプロセスを通して、自分らしい人生の設計図を考えるきっかけにしてください。
ステップ1:現在の自分の役割と時間の使い方を把握する
まず、現在の自分がどのようなライフロールを担っており、それぞれにどれくらいの時間を使っているかを客観的に把握します。
1日のタイムスケジュールを円グラフにしたり、1週間の活動内容を表にまとめたりして、時間の使い方を可視化してみましょう。
例えば、「職業人」「家庭人」「余暇人」といった役割ごとに、費やしている時間を計算します。
これにより、自分がどの役割に重きを置いているのか、また理想とする時間の使い方と現実にギャップはないかを確認できます。
この現状分析が、今後のキャリアを考える上での出発点となります。
ステップ2:これまでの人生における役割の変遷を振り返る
生まれてから現在までの人生を振り返り、年齢とともにライフロールがどのように変化してきたかを書き出します。
「学生」から「職業人」へ、「独身」から「配偶者」や「親」へといった大きな変化や、それに伴って時間の使い方がどう変わったかを時系列で整理します。
この過程で、自分がどのような時にやりがいを感じ、何を大切にして選択してきたのかという、自分自身の価値観や行動スタイルが見えてきます。
過去の経験の棚卸しは、自分という人間を深く理解し、未来を考えるための重要な土台を築く作業です。
ステップ3:10年後・20年後の理想の未来を思い描く
過去と現在の分析を踏まえ、将来の理想像を具体的に描きます。
10年後、20年後の自分が、仕事、家庭、趣味、学習などの各ライフロールにおいて、どのような状態でいたいかを自由に想像し、書き出してみましょう。
ライフキャリアにおけるデザインとは、単に地位や年収といった目標を設定することではありません。
自分が心から望む生き方や、大切にしたい価値観が満たされている状態を思い描くことです。
この理想のビジョンが、今後の具体的な行動計画を立てる上での羅針盤となります。
ステップ4:将来起こりうる役割の変化に今から備える
理想の未来を描くと同時に、結婚、出産、育児、介護、転職、セカンドキャリアへの移行といった、将来起こりうるライフイベントも想定しておきましょう。
これらのイベントは、ライフロールのバランスを大きく変化させる可能性があります。
例えば、親の介護が始まれば「子ども」としての役割の比重が増すかもしれません。
あらかじめ複数のシナリオを考え、それに向けて今からできる準備(貯蓄、スキル習得、情報収集など)を計画しておくことで、いざという時に冷静かつ柔軟に対応できます。
変化を乗りこなすための準備が、長期的なキャリアの安定につながります。
企業が従業員のライフキャリア形成を支援する2つのメリット
従業員一人ひとりが自らのライフキャリアを考えることは、個人の幸福度を高めるだけでなく、会社にとっても大きなメリットをもたらします。
企業が従業員の人生全体に寄り添う支援を行うことで、エンゲージメントや生産性のアップが期待でき、結果として組織全体の成長につながります。
ここでは、企業が従業員のライフキャリア形成を積極的に支援することで得られる、代表的な2つのメリットについて解説します。
従業員の主体的なキャリア形成を促し離職率低下につなげる
企業が研修や面談を通じて従業員のライフキャリア形成をサポートすることで、従業員は会社が自分の人生を尊重してくれていると感じ、組織への信頼感を深めます。
キャリアコンサルタントによるカウンセリングや、専門家によるコンサルティングの機会を提供することで、従業員は自身のキャリアを主体的に考えるようになります。
自分の将来像と会社の方向性をすり合わせる機会を持つことで、エンゲージメントが高まり、会社への定着率が向上します。
結果として、優秀な人材の流出を防ぎ、組織力の維持・強化につながります。
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ワークライフバランスの実現でエンゲージメントが向上する
ライフキャリア支援は、仕事(ワーク)と私生活(ライフ)の調和を重視する考え方です。
企業が育児や介護といった従業員の家庭の事情に配慮した制度を整えたり、自己啓発や趣味の時間を尊重する風土を醸成したりすることで、従業員は安心して働き続けることができます。
仕事とワークライフの両立が図れる環境は、従業員の満足度を直接的に高めます。
これにより、従業員は仕事に対するモチベーションを維持しやすくなり、組織への貢献意欲であるエンゲージメントの向上に結びつきます。
キャリア支援として従業員一人ひとりが今後今まで以上に活躍していくために、LMSを活用してどのような取り組みを行われているか、こちらをご覧ください。
企業が従業員のライフキャリア形成支援を行う上でのポイント
従業員のライフキャリア支援を形骸化させず、実効性のあるものにするためには、制度を整えるだけでなく「運用」の視点が不可欠です。特に、多様な価値観を持つ大企業の組織においては、以下の3つのポイントが重要になります。
従業員一人ひとりの意思を尊重した「キャリア対話」
ライフキャリアは極めて個人的な領域を含むため、会社が一方的にキャリアパスを押し付けるのではなく、「本人がどう生きたいか」という意思を尊重する姿勢が求められます。
定期的な1on1ミーティングなどを通じて、現在のライフロール(家庭や趣味など)の状況や将来の展望を共有する「キャリア対話(キャリア面談)」の場を設けましょう。上司や人事が従業員の価値観を深く理解し、会社の方向性とすり合わせることで、「この会社なら自分らしい人生が送れる」という信頼関係が構築されます。
1on1ミーティングを成功させるために必要なスキルとして「EQ」(感情知性)があげられます。
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個々のライフステージとキャリアパスに合わせた柔軟な支援
大企業には、育児、介護、リスキリングの必要性など、異なる状況に置かれた従業員が混在しています。そのため、一律の教育研修ではなく、個々のキャリアパスやスキル状況に合わせパーソナライズされた支援が重要です。
「今のスキルだけで将来は大丈夫か?」という不安を抱える社員に対し、それぞれの目指す姿に必要な学習コンテンツを提示し、着実なステップアップを後押しする仕組みを整えましょう。
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長期的な学びと成長機会の提供
ライフキャリアは「点」ではなく「線」のプロセスです。一時的な研修で終わらせるのではなく、長期的に学び続けられる環境を提供することが、人的資本の価値最大化につながります。
忙しい業務の間を縫ってでも「学びたい」と思える、アクセスの良さと継続的な動機づけができるインフラの整備が、企業のライフキャリア支援の成否を分けるといっても過言ではありません。
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まとめ
ライフキャリアとは、仕事に限らず、家庭や趣味、学習といった人生のあらゆる役割を統合して捉える包括的な考え方です。
ドナルド・スーパーが提唱したライフキャリア・レインボーは、自身の人生を客観的に可視化し、将来を設計するための有効なツールとなります。
変化の激しい現代において、個人が主体的に自らのキャリアを考える重要性は増しています。
また、企業にとっても従業員のライフキャリア支援は、エンゲージメント向上や離職率低下につながる重要な経営課題です。
キャリア開発のための研修や自己啓発を促す教育の機会を通じて、個人と組織が共に成長していく視点が求められます。
【ライフキャリアに関するよくある質問(Q&A)】
ライフキャリアという考え方に触れる中で、さまざまな疑問が浮かぶかもしれません。
例えば、サニー・ハンセンが提唱した「4L」理論(愛・労働・学習・余暇)との関連性や、文部科学省がキャリア教育で示す指針、各種研究所が発表するデータなど、より専門的な情報もあります。
ここでは、ライフキャリアを考える上での基本的な質問に答えていきます。
Q.ライフキャリアを考える上で最も大切なことは何ですか?
結論として、自分自身の価値観を深く理解し、それを軸に判断することが最も大切です。
社会の常識や他人の評価に流されるのではなく、自分が何を大切にし、どのような状態に幸福を感じるのかを明確にする必要があります。
自己分析を通じて、自分だけの判断基準という持論を確立することが、納得のいくライフキャリアを築くための第一歩です。
Q.ライフキャリア・レインボーはどのように書けばいいですか?
横軸に年齢、縦軸にライフロールを配置したシートを用意し、各役割に費やしてきた(または費やすと予想される)時間の密度を、虹のような帯で色分けしながら描くのが基本的な書き方です。
インターネット上で配布されているテンプレートや記入例を参考にするとスムーズに作成できます。
完璧な図を描くことよりも、自分自身の人生を可視化する過程が重要です。
Q.企業はなぜ従業員のプライベートな領域まで支援する必要があるのですか?
従業員の生活全体の充実が、仕事における生産性や意欲、組織への定着率に直接影響を与えるためです。
家庭の問題や個人的な悩みが、仕事のパフォーマンスを低下させることは少なくありません。企業がプライベートな領域にも配慮し支援することで、従業員は安心して業務に集中でき、結果的に企業の持続的な成長にもつながります。


