企業におけるキャリア開発とは?目的・メリット・進め方を徹底解説!
- 2025年10月17日
- 読了時間: 16分

社員がいきいきと働き続け、企業も持続的に成長するために欠かせないのが「キャリア開発」です。従来のように企業任せでキャリアが保証される時代は終わり、いまや企業と社員が一緒にキャリアを築くことが求められています。
この記事では、キャリア開発の基本的な定義や関連用語との違い、企業で重要視される背景、企業・社員双方にとってのメリット、さらに具体的な施策の方法や成功のポイントまで、網羅的にわかりやすく解説します。
実際に企業がどのように人財育成を進めているのかは、「事例紹介(株式会社肥後銀行、ワタミ株式会社、株式会社大分銀行他)」で詳しくご紹介しています。
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目次
キャリア開発とは?基本と関連用語を理解しよう
キャリア開発とは、企業が社員の職業的成長を計画的に支援する取り組みのことです。研修や教育の提供にとどまらず、長期的なキャリアの方向性を見据えた制度や仕組みを整える点が特徴です。社員のスキル向上やモチベーションの維持は、結果として企業全体の競争力や持続的成長につながります。ここでは関連用語との違いを整理し、基本を理解しておきましょう。
キャリア開発の定義
キャリア開発とは、企業が主体となって、社員一人ひとりの職業的な能力を向上させ、長期的な成長を支援する取り組みのことです。単にスキルアップを目的とした研修だけでなく、社員のキャリアに対する価値観や志向を尊重し、個々のライフプランに合わせた支援を通じて、職業人生全体を豊かにしていくことを目指しています。これにより、社員のエンゲージメントとパフォーマンスを高め、企業の持続的な成長にも貢献します。
「キャリア形成」との違い
キャリア形成は「社員自身が主体となって職業人生を築く行動」を意味します。具体的には、自己分析を通じて将来の目標を設定したり、必要なスキルを習得するために資格取得を目指したり、キャリアアップのために転職を検討するなどが含まれます。
一方キャリア開発は、企業が主体となり、研修や制度を通じて社員のキャリア形成を側面から支援する取り組みのことです。会社が提供する研修や制度を通じて個人の成長を促し、社員が自律的にキャリアを形成できるようサポートします。両者は切り離せるものではなく、企業の支援と個人の主体性が相互に作用することで、効果的なキャリア形成が実現します。
混同しやすい「キャリアパス」「キャリアデザイン」との意味の違い
キャリアパスは「社内での昇進・異動のモデル」を示す言葉であり、キャリアデザインは「社員個人が将来のキャリア像を具体的に設計すること」を指します。一方、キャリア開発は、これらキャリアパスやキャリアプランを含む社員の職業的な成長を企業が計画的に支援する取り組み全般を意味します。それぞれの意味を正しく理解し、区別して認識することが、効果的なキャリア開発施策の立案に繋がります。
企業でキャリア開発が重要視される3つの理由
かつての日本企業は、終身雇用や年功序列を前提に人材を育成してきました。しかし現代では、雇用制度の変化、テクノロジーの進展、そして価値観の多様化により、社員のキャリアを企業が支援する仕組みが欠かせなくなっています。ここではその背景を3つに整理をして解説します。
終身雇用・年功序列といった従来の雇用制度の変化
終身雇用や年功序列といった仕組みは弱まり、スキルや成果に基づいた評価が主流となっています。これに伴い、社員は「企業に依存するキャリア」から「主体的に成長するキャリア」へと意識を変える必要があります。企業もまた、社員が安心してスキルを磨ける環境を提供する責任を負っており、キャリア開発は人材流出防止や組織力強化のために欠かせません。
テクノロジーの進化によるビジネスで求められるスキルの変化
AIやDXの進展により、従来のスキルが通用しなくなるスピードが加速しています。そのため社員は新しい知識を継続的に習得する必要があります。企業が体系的に学習機会を提供しなければ、人材のスキルは陳腐化し、競争力を失うリスクが高まります。キャリア開発は、こうした環境変化に適応し続けるための仕組みとして不可欠です。
働き方やキャリアに対する個人の価値観が多様化したため
近年は「安定よりもやりがい」「転職を前提としたスキル獲得」といった考え方が広がっています。社員が求めるキャリアは一様ではなく、ライフステージや価値観に応じて多様化しています。そのため企業は一律のキャリア管理ではなく、個々の志向に寄り添ったキャリア開発を行うことが求められます。社員の多様性を尊重することで、エンゲージメントや定着率の向上にもつながります。
企業がキャリア開発に取り組む3つのメリット
企業が社員のキャリア開発に投資することは、組織の持続的な成長を支える重要な経営戦略です。
社員が自律的にキャリアを考え、成長していくプロセスを支援することで、企業は様々な恩恵を受けることができます。
具体的には、組織全体の活性化、生産性の向上、そして優秀な人材の確保と定着といったメリットが期待できます。
ここでは、企業がキャリア開発に取り組むことで得られる3つの主要なメリットについて詳しく解説します。
社員が自律的に行動するようになり組織全体が活性化する
キャリア開発の支援を通じて、社員は自身の将来像や目標を明確に意識するようになります。
これにより、日々の業務を「やらされ仕事」として捉えるのではなく、目標達成に向けた重要なステップと認識し、主体的に取り組む姿勢が醸成されます。
上司も部下のキャリアを支援する過程で、個々の強みや志向を深く理解し、適切な動機づけや指導ができるようマネジメント能力が向上します。
このような自律的な社員と支援型の管理職が増えることで、組織内のコミュニケーションが活発化し、新しいアイデアや改善提案が生まれやすい風土が育まれ、組織全体が活性化していきます。
一人ひとりの生産性が高まり企業の業績向上につながる
キャリア開発施策によって、社員は自身のキャリア目標達成に必要なスキルや知識を効率的に習得できます。
業務遂行能力が直接的に向上することに加え、会社から成長の機会を与えられているという実感は、仕事へのモチベーションやエンゲージメントを高める効果もあります。
スキルと意欲の両方が向上することで、社員一人ひとりのパフォーマンスは最大化され、組織全体の生産性が底上げされます。
個々の生産性の向上が積み重なることで、製品やサービスの品質改善、イノベーションの創出が促進され、最終的に企業の業績向上という形で結実します。
魅力的な職場として優秀な人材の確保や定着が期待できる
現代の求職者、特に優秀な人材ほど、給与や待遇だけでなく、その企業で自身がどのように成長できるかを重視する傾向にあります。
キャリア開発に力を入れている企業は、「社員の成長を大切にする会社」という魅力的なイメージを社外に発信でき、採用活動において大きなアドバンテージとなります。
また、社内にいる従業員にとっても、自身のキャリアアップを会社が支援してくれる環境は、働く上での満足度を高め、エンゲージメントを向上させます。
これにより、離職率の低下、すなわち人材の定着が期待でき、採用と育成にかかるコストの削減にも貢献します。
従業員側にとってのキャリア開発のメリット
企業が推進するキャリア開発は、従業員一人ひとりにとっても大きな利点をもたらします。
会社の支援を受けながら自身のキャリアと向き合うことで、専門性の向上はもちろん、将来への見通しが立ち、仕事に対する意欲も高まります。
ここでは、従業員の視点から見たキャリア開発のメリットを2つの側面から解説します。
業務で役立つ専門知識やポータブルスキルが身につく
企業が提供する研修や資格取得支援制度などを活用することで、従業員は現在の業務に直結する専門知識を深められます。
例えば、特定の資格を取得したり、英語などの語学力を向上させたりすることは、担当できる業務の範囲を広げることにつながります。
また、ロジカルシンキングやプレゼンテーション能力といった、業種や職種が変わっても通用する「ポータブルスキル」を体系的に学ぶ機会も得られます。
これらの能力は、社内でのキャリアアップはもちろん、将来的に転職を考える際にも強力な武器となり、自身の市場価値を高める上で非常に有益です。
将来の目標が明確になり仕事へのモチベーションが向上する
キャリア面談や自己分析の機会を通じて、従業員は自身の強みや弱み、価値観を客観的に見つめ直すことができます。
これにより、漠然としていた自身のキャリアに対する考えが整理され、「将来どのような専門家になりたいか」「どのような役割を担いたいか」といった具体的な目標が明確になります。
目標が定まると、日々の業務がその達成に向けたプロセスの一部として意味づけられ、仕事への取り組み方が主体的になります。
自身の職業生活における発達の方向性が見えることで、内発的な動機づけが強まり、仕事に対するモチベーションの向上に作用します。
キャリア開発を推進するための具体的な施策7選
キャリア開発の重要性を理解した上で、次に考えるべきは、それをどのように企業内で推進していくかです。
ここでは、多くの企業で導入され、効果を上げている代表的な施策の具体例を7つ紹介します。
これらの施策は、それぞれ異なる目的やプロセスを持っています。
自社の文化や従業員のニーズに合わせて、これらの制度を単独または組み合わせて導入し、社員に多様な成長の機会を提供することが、効果的なキャリア開発支援の鍵となります。
上司と部下が1対1で対話する「1on1ミーティング」の実施
1on1ミーティングは、上司と部下が週に1回から月に1回程度の頻度で、30分程度の短い時間で行う1対1の対話です。
これは従来の評価面談とは異なり、部下の成長支援を主な目的とします。
業務の進捗だけでなく、キャリアの悩み、関心事、プライベートの状況など、部下が話したいことを自由に話せる場です。
上司は傾聴を基本とし、部下の内省を促すことで、本人の気づきや自律的な行動を支援します。
定期的な対話を通じて信頼関係が深まり、部下は安心してキャリアの相談ができるようになり、上司は個々に合わせた的確なサポートを提供できます。
スキルアップを目的とした階層別・職種別「研修」の開催
研修は、社員に必要な知識やスキルを体系的に提供する上で非常に有効な施策です。
例えば、新入社員、若手、中堅、管理職といった階層別に、それぞれの役割で求められるリーダーシップやマネジメントスキルなどを習得させる研修が挙げられます。
また、営業職向けの交渉術研修や、技術職向けの最新技術研修など、職種ごとの専門性を高めるプログラムも重要です。
近年では、オンラインで受講できるeラーニングなども普及しており、時間や場所の制約なく学習機会を提供することで、社員の自律的なスキルアップを後押しします。
資格取得などを補助する「自己啓発支援制度」の導入
自己啓発支援制度は、社員が自らの意思で行う学習活動を、企業が金銭的にサポートする仕組みです。
具体的には、業務に関連する資格の受験料や、外部セミナーの参加費用、ビジネス書の購入費などを会社が一部または全額補助します。
この制度があることで、社員は費用を気にせずに学びたいことに挑戦でき、学習意欲が大きく向上します。
企業にとっては、社員の自発的なスキルアップを促進できるだけでなく、社員の成長を支援する企業であるというポジティブなメッセージを発信することにもなり、エンゲージメントの向上に貢献します。
人事部や上司が定期的に行う「キャリア面談」
キャリア面談は、日々の業務から少し離れ、中長期的な視点で社員のキャリアについて話し合うための機会です。
人事担当者や直属の上司が面談者となり、社員がこれまでの経験を振り返り、自身の強みや今後の希望を言語化する手助けをします。
この対話を通じて、本人の志向と会社が期待する役割をすり合わせ、個別のキャリア開発プランを作成します。
年に1回など定期的に実施し、プランの進捗を確認しながら継続的に支援することで、社員は安心して自身のキャリア形成に取り組むことが可能になります。
社内での昇進モデルを示す「キャリアパスの提示」
キャリアパスとは、企業内のあるポジションから上位のポジションへ至るための標準的な道筋や昇進モデルのことです。
各等級や役職に求められるスキル、経験、資格などを具体的に明示することで、社員は将来の目標設定がしやすくなります。
例えば、「課長になるためには、Aという経験とBという資格が必要」といった基準が明確であれば、社員はそこに向けて計画的に能力開発に取り組めます。
管理職を目指すマネジメントコースや、専門性を極める専門職コースなど、複数のキャリアパスを用意することで、多様な志向を持つ社員のモチベーションを高める効果が期待できます。
適材適所を実現するための柔軟な「人事異動・配置転換」
戦略的な人事異動や配置転換は、社員に新たなスキルや視点を獲得させる有効なキャリア開発施策です。
例えば、営業課の社員をマーケティング室に異動させることで、顧客の声を直接知る強みを活かした商品企画ができるようになるかもしれません。
本人の希望や適性を踏まえた上で、未経験の分野に挑戦させることで、本人の潜在能力を引き出すことにもつながります。
また、社員が自ら希望の部署に応募できる社内公募制度や、FA制度を導入することも、社員のキャリア自律を促し、組織全体の活性化と適材適所の実現に貢献します。
社外での経験を促す「副業・兼業の許可」
近年、社員の副業や兼業を認める企業が増えています。
これは、社員が社外での活動を通じて、本業だけでは得られない新たなスキルや知識、人脈を獲得することを期待するものです。
例えば、他社でコンサルティング業務を行うことで、課題解決能力が向上し、本業にもその知見が活かされる可能性があります。
サントリーやソフトバンクといった大手企業も導入しており、一定のルールのもとで社員の挑戦を後押しする姿勢は、自律的なキャリア形成を促進します。
結果として、イノベーションの創出や優秀な人材の定着にも良い影響を与えます。
キャリア開発に取り組んでいる企業事例
キャリア開発に取り組む企業事例は数多く存在し、各企業が独自の視点や戦略で社員の成長を支援しています。ここでは、多機能型LMS「SmartSkill Campus」を導入されている企業の事例をピックアップし、取り組みの一部をご紹介いたします。これらの事例から、自社の状況に合ったキャリア開発のヒントを得られるでしょう。
株式会社肥後銀行
3つのポータルを使い分け、様々なフィールドで貢献できる多様な人材を育成
株式会社肥後銀行では、社員一人ひとりの主体的な学びとキャリア開発を支援するため、「SmartSkill Campus」を基盤とした「ひぎん学びネット」を導入しました。従来の業務中心の教育から脱却し、行員自らが将来を見据えて学ぶ組織風土の定着を目指しています。
中でも「自己啓発用ポータル」は、主体的な能力開発を支援する場として機能しており、「金融」の枠を超えた幅広い学びを提供。
さらに、SmartSkill Campusの特長であるレコメンド機能により、個人の属性やスキルレベルに応じた講座を自動表示するなど、「One to One Education」を実現しています。
これにより、各行員が自らのキャリアプランに合わせて最適な学びを選択し、着実にスキルアップを図ることが可能です。
今後は、学習内容を共有・発信できる相互成長の場としての活用も視野に入れており、日常的にアクセスされる学習プラットフォームへと進化を続けています。
ワタミ株式会社
社員一人ひとりの夢や目標を実現するキャリア支援
ワタミ株式会社では、社員一人ひとりの夢や目標の実現を会社の成長の源と位置づけ、「SmartSkill Campus」を基盤とした学習サイト「GROW」を導入しています。
集合研修では対応しきれなかった個々のキャリアやスキルニーズに応えるため、個別化された学習環境を整備し、自律的なキャリア形成を支援しています。
社員は手帳に5年後の理想像を記入し、そこから逆算して学ぶ姿勢を育み、上司も目標達成を支援する伴走者として関わっています。
「GROW」では、一般社員から管理職まで、昇進に必要なスキルを体系的に学べる豊富なコンテンツを提供し、キャリアパスと学習を連動させています。
また、キャリアヒアリングやFA(社内フリーエージェント)制度と連携し、個人の希望と組織の成長を両立させる運用を推進。
将来的には、昇格・異動の判断にもつながる実践的なキャリア支援基盤としての活用を目指しています。
さらに、「GROW」を通じてトップメッセージや会社の動向を発信することで、社員が自分のキャリアと企業ビジョンを重ね合わせるきっかけを創出。
学びを通じた主体的な成長文化が着実に根付きつつあります。
株式会社大分銀行
LMSとタレマネの連携により、行員の能力レベルに応じた最適な能力開発支援を実現
株式会社大分銀行では、行員一人ひとりの「ありたい自分」の実現と「専門能力の開発」を両輪とするキャリア開発を推進するため、「SmartSkill Campus」を基盤とした学習サイト「Progress Navi」を導入しました。
タレントマネジメントシステムと連携し、能力レベルを可視化した上で個々に最適な育成カリキュラムをレコメンド。
企業内大学「D-Careerアカデミー」を中心に、知識・スキル・経験の3軸で自律的な成長を支援しています。加えて、スマートフォンからのアクセスを前提としたUI設計により、8割以上がモバイル経由で学習を継続。時間や場所にとらわれない学びを実現しました。
さらに、今後は学びの成果をアウトプット・共有できる仕組みや、育成関連業務をProgress Naviに統合する構想も進行中です。
SmartSkill Campusを通じて「自らキャリアを切り拓く」文化を醸成し、個と組織の持続的成長に寄与しています。
キャリア開発を実践するなら|SmartSkill Campus
キャリア開発を促進するには、個々の社員が自ら学び、成長を実感できる環境づくりが欠かせません。
多機能型LMS「SmartSkill Campus」は、キャリア自律を支援する仕組みを備えた学習プラットフォームです。
PC・スマホ・タブレットなど多様なデバイスに対応し、専用アプリによるプッシュ通知やスムーズな操作で、日常の中で継続的な学びを実現します。
また、450本以上のマイクロラーニング動画やテスト機能を標準搭載し、役割やキャリア段階に応じた学習設計が可能です。
上司やメンターとの連携によるフォロー体制やリアルタイムの進捗管理も充実しており、キャリア面談や育成計画と連動した運用ができます。
強固なセキュリティ基盤と大規模運用にも耐える安定性を備えたSmartSkill Campusは、社員一人ひとりのキャリア開発を着実に後押しします。
まとめ
企業におけるキャリア開発は、働き方の価値観が多様化し、ビジネス環境が激しく変化する現代において、企業の持続的成長を支える不可欠な人事戦略です。
社員一人ひとりの自律的な成長を支援することは、組織の活性化、生産性の向上、そして優秀な人材の確保と定着に直結します。
本記事で解説した具体的な施策や成功のポイントを踏まえ、自社の現状と課題に合わせたキャリア開発の仕組みを構築することが求められます。
自社の教育方針に合わせて、「SmartSkill Campus」のようなキャリア自律を支援する仕組みを備えた学習プラットフォームの導入を検討してみてはいかがでしょうか。






