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部下の上手な叱り方とは?ハラスメントを防ぎ、やる気と成長を引き出す指導のコツ

  • 3月26日
  • 読了時間: 13分


部下を叱る際に、やってはいけない行動を避け、成長を促す「しかり方」を身につけることは、現代の管理職にとって不可欠なスキルです。

パワハラと受け取られないための正しい叱り方や上手な叱り方を実践することで、部下との信頼関係を維持しつつ、組織全体の生産性向上につながります。

本記事では、具体的なNG例を交えながら、部下の成長を促す指導法を解説します。


アンガーマネジメントの研修プログラムでは、「感情のマネジメント」を軸に、良好な人間関係と組織の活性化を促します。

これにより、心理的安全性の向上と健康経営の実現をトータルにサポートいたします。

サービスの詳細については、公式ページをご覧ください。






目次





部下の成長を止める「怒り」と成長を促す「然り」の決定的な違い  


「怒り」とは、自分の感情をコントロールできずに一方的にぶつける行為であり、部下の萎縮や反発を招くだけです。

一方、「叱る」という行為は、部下の成長を目的として、問題行動の改善を促すための論理的な指導を指します。


感情的な怒りは相手に恐怖心しか与えませんが、理性的に叱ることで、部下が自らの課題に気づき、次への行動変容を起こすきっかけを与えます。



パワハラと受け取られかねない!部下を叱るときのNG行動7選  


部下への指導が意図せずパワハラと認定されるケースには、典型的なNG行動が存在します。

例えば、「てか、前も言ったよね?」といった高圧的な前置きや、感情的な叱責は、部下の心を閉ざし、指導の効果を失わせるだけです。

ここでは、特に注意すべき7つのNG行動例を挙げ、その問題点を具体的に解説していきます。






NG例1:大勢の前で叱責して見せしめにする


他の社員がいる前で叱責する行為は、部下のプライドと自尊心を著しく傷つけます。

見せしめのような指導は、本人に強い羞恥心を与え、指導内容が頭に入らないばかりか、上司への不信感を増大させます。


また、周囲の社員も萎縮させ、チーム全体の心理的安全性を低下させる原因となります。

指導は必ず個室など、第三者のいない環境で行うのが鉄則です。



NG例2:「なんでできないんだ」と感情的に問い詰める


「なんで」「どうして」という言葉で感情的に問い詰めるのは、相手を追い詰めるだけで建設的ではありません。

部下は「申し訳ありません」と謝罪することしかできず、思考停止に陥ってしまいます。

このような詰問は、能力不足を責めていると受け取られやすく、パワハラと判断されるリスクも高まります。


原因を究明するのではなく、単なる吊し上げになってしまいがちです。



NG例3:「君は本当にダメだ」と人格そのものを否定する


「本当に使えない」「君はダメだ」といった言葉は、部下の行動ではなく人格そのものを否定する最悪のNG行為です。

このような発言は、部下の自信と成長意欲を完全に奪い、修復不可能なレベルで信頼関係を破壊します。


指導の対象はあくまで「問題となった行動」に限定すべきであり、個人の資質や性格に言及することは、いかなる理由があっても許されません。



NG例4:「〇〇さんは優秀なのに」と他の社員と比較する


他者との比較は、部下に劣等感を植え付けるだけで、プラスの効果は何もありません。

「〇〇さんと比べて君は…」という言い方は、本人の努力やプロセスを無視した評価であり、モチベーションを著しく低下させます。

比較すべき対象は、他人ではなく「過去の本人」です。


本人の成長に着目し、できなかったことができるようになった点を評価する視点を持つことが求められます。



NG例5:過去の失敗を何度も持ち出して責める


一度指導して解決したはずの過去の失敗を、叱責のたびに持ち出すのは避けるべきです。

何度も同じことを言われると、部下は「信頼されていない」と感じ、反省よりも反発心が先に立ちます。


指導は、現在起きている問題に限定して行うのが原則です。

過去の話を持ち出すと論点がずれ、本来解決すべき課題への集中を妨げます。



NG例6:「昔はこうだった」と自分の価値観を一方的に押し付ける


「自分の若い頃は…」「この業界ではこれが常識だ」といった、自身の経験に基づく価値観の押し付けは、部下の納得を得られません。

時代や環境が変化していることを無視した精神論は、相手にとって単なる時代錯誤な主張にしか聞こえないのです。


部下の世代や特性を理解しようとせず、一方的に自分のやり方を強制するのは、思考停止を招きます。



NG例7:指摘が曖昧で具体的な改善策を示さない


「もっと主体的に動いて」「ちゃんと考えて」といった曖昧な指摘では、部下は何を改善すればよいのか理解できません。

具体的にどの行動の、どの部分に問題があったのかを明確に示さなければ、次のアクションに繋がらないのです。


指導する側は、部下が具体的な行動計画を立てられるレベルまで、問題点を分解して伝える責任があります。



パワハラにならないために!怒りのコントロールする3つのコツ  


指導のつもりでも、怒りに任せた言葉は相手の心を折るだけでなく、「パワハラ」と見なされたり、自身の評価や信頼をも損ないかねません。


良好な人間関係を築き、成果を出すために不可欠な怒りをコントロールするためのコツを3つ紹介します。



1:衝動的にならずに6秒待ってみる


怒りの感情が沸き起こり、そのピークが持続するのは「長くて6秒」と言われています。カッとなった瞬間に反射的に言葉を発すると、攻撃的な表現になりがちです。


まずは心の中でゆっくり数を数え、その6秒をやり過ごしましょう。

このわずかな「間」を置くことで、脳が感情的なモードから論理的なモードへと切り替わり、冷静で建設的な対応ができるようになります。



2:許せること/許せないことの境界線を広げる


怒りは、自分が持つ「べき」という価値観が裏切られた時に生じます。

しかし、価値観は人それぞれです。


「自分の常識」を絶対視せず、「まあ、こういう考え方もあるか」と許容できるストライクゾーンを広げる意識を持ちましょう。

「絶対に許せない」範囲を狭め、境界線を柔軟に保つことが、余計なイライラを防ぐ近道です。



3:自分の怒りの傾向を理解する


自分が「いつ」「どんな状況で」怒りを感じやすいのか、客観的に把握することも重要です。

「時間に追われている時」「特定の相手と話す時」など、自分のクセを知れば、事前に対策を講じることができます。


怒りを感じた出来事を記録する「アンガーログ」をつけると、自分の感情を俯瞰して見られるようになり、コントロールが容易になります。



アンガーマネジメントを学び、感情をコントロールするスキルを身につける


管理職が感情をコントロールするスキルを習得することは、怒りの感情によるハラスメントを未然に防ぎ、部下が安心して発言できる「心理的安全性の高い組織」を構築するための、重要な経営戦略です。

弊社では、組織の現状把握からスキルの定着まで、フェーズに合わせて選べる3つのアプローチをご提案しています。



①組織の力を底上げする「アンガーマネジメント研修・eラーニング」


現場のリーダー層を対象に、感情のメカニズムと建設的な「叱り方」の型を習得させます。全社で共通言語を持つことで、組織全体の指導クオリティを均一化します。


「アンガーマネジメント叱り方研修」は、アンガーマネジメントの基礎に加え、部下や後輩への「適切な叱り方」に特化したプログラムです。90分〜3時間の短時間集中型で、多忙な管理職でも参加しやすく、現場ですぐに活かせる指導力・コミュニケーション力を養います。












②現状を可視化する「アンガーマネジメント診断」


「自社の管理職がどのような怒りの傾向を持っているのか」を客観的な数値と視覚的に分かりやすいキャラクターによって可視化します。個人の課題を明確にすることで、教育の必要性を本人に自覚させ、研修の効果を最大化させることが可能です。






③教育の自走と定着を担う「社内講師の育成(資格取得)」


外部講師に頼らず、自社の状況に合わせた柔軟な教育を継続するために、人事担当者や現場のキーマンが「認定資格」を取得する手法です。資格取得後は、日本アンガーマネジメント協会公認のテキストやカリキュラムを使用して、自社内で公式な研修を実施できるようになります。


社内に正しい知識を持ったアンガーマネジメントのスペシャリストがいることで、アンガーマネジメントを一時的な流行で終わらせず、企業文化として深く根付かせることが可能になります。






部下の納得感を引き出す!上手な叱り方の5ステップ  


部下の行動変容を促すためには、感情的に伝えるのではなく、論理的な手順に沿って叱ることが重要です。

これから紹介する5つのステップを意識することで、部下は指導内容に納得しやすくなり、前向きに改善に取り組めます。


上司と部下の間の認識齟齬を防ぎ、建設的な対話を実現するためのフレームワークです。



ステップ1:1対1になれる静かな場所とタイミングを選ぶ


指導を行う際は、会議室や応接室など、第三者の目や耳が届かない1対1の環境を確保することが絶対条件です。

周囲に人がいる場所では、部下はプライドが傷つき、話に集中できません。


また、相手が業務で多忙な時間帯や終業間際を避け、冷静に話せるタイミングを見計らう配慮も不可欠です。

環境設定を丁寧に行うことが、信頼関係を維持する第一歩になります。



ステップ2:憶測を挟まず、客観的な事実だけを伝える


叱責の冒頭では、「君はやる気がないように見える」といった主観的な解釈や憶測を伝えるべきではありません。

「〇月〇日の会議で、〇〇という発言があった」のように、誰が見ても否定できない客観的な事実のみを具体的に指摘します。


事実から入ることで、部下は話を受け入れやすくなり、感情的な反発ではなく、事実に基づいた対話が可能になります。



ステップ3:その行動がなぜ問題なのか理由と影響を説明する


事実を伝えた後は、その行動がなぜ問題なのか、具体的な理由と周囲への影響を客観的に説明します。


「そのミスによって、〇〇の部署で手戻りが発生し、プロジェクト全体が2日遅延した」というように、具体的な影響を示すことで、部下は自身の行動の重大さを理解できます。

単にルール違反を指摘するだけでなく、その背景にある組織としての原則を伝えることが大切です。



ステップ4:部下自身に原因と改善策を考えさせる


問題点と影響を伝えたら、一方的に解決策を提示するのではなく、まず部下自身に原因と改善策を考えさせます。

「今回の原因は何だと思う?」「次に同じことを防ぐために、どうすればいいかな?」と質問を投げかけ、本人の口から具体的なアクションプランを語らせることが大切です。

自分で考えた対策だからこそ、実行への責任感が生まれます。



ステップ5:今後の期待を伝えて前向きな言葉で締めくくる


対話の最後は、必ず前向きな言葉で締めくくることが重要です。

「今回の件は反省して、次に活かしてほしい」「君のこの強みは素晴らしいから、期待しているよ」といった期待の言葉をかけることで、部下のモチベーションを維持します。


指摘だけで終わらせず、未来に向けたポジティブなメッセージを伝えることで、部下は「見放されていない」と感じ、前向きに改善に取り組むことができます。



【ケース別】こんな部下への伝え方とアプローチ法   


部下への指導は、相手の性格や状況といったタイプに合わせてアプローチを変えることで、より効果的になります。

ここでは、多くの管理職が悩みがちな4つのケースを取り上げ、それぞれの部下への効果的な伝え方とアプローチ法を解説します。


画一的な対応ではなく、個性に合わせたコミュニケーションを心がけることが、納得感を引き出す鍵です。



同じミスを何度も繰り返す部下への対処法


同じミスを繰り返す部下に対しては、感情的に叱るのではなく、なぜそのミスが起きるのか、原因を一緒に分析することが重要です。

能力的な問題なのか、業務プロセスに問題があるのか、あるいは本人の注意力不足なのか、原因を特定します。


その上で、「この手順をマニュアル化しよう」「ダブルチェックの仕組みを導入しよう」など、具体的な再発防止策を共に考え、実行をサポートする姿勢が求められます。



言い訳が多く、反省の色が見られない部下への伝え方


言い訳を始める部下に対しては、途中で話を遮らず、まずは最後まで傾聴する姿勢が重要です。

相手の主張を受け止めた上で、「あなたの言い分は分かった。ただ、事実として〇〇という結果が起きている」と、客観的な事実に焦点を戻して対話を進めます。


言い訳の背景にある自己保身の気持ちに配慮しつつも、プロとして結果に対する責任を受け入れるよう促します。



プライドが高い年上の部下を傷つけないアプローチ


プライドが高い年上の部下には、指導や命令といった形ではなく、「相談」や「お願い」という形でアプローチするのが有効です。

「〇〇さんのご経験から見て、この状況をどう改善できるか知恵を貸していただけませんか?」と、相手の自尊心を尊重する姿勢を示します。


あくまで敬意を払いながら、組織としての方針や問題点を伝えることで、相手も冷静に話を聞き入れやすくなります。



打たれ弱い若手社員が萎縮しないための言葉選び


打たれ弱い若手社員には、まず「あなたの成長を思って伝えている」というポジティブな意図を明確にすることが大切です。

できている点を具体的に褒めた上で、「さらに良くするために、一つだけアドバイスしてもいいかな?」と切り出し、改善点を伝えます。


最後に再び期待の言葉で締めくくるサンドイッチ型のコミュニケーションを用いることで、相手の心理的な負担を軽減し、前向きな行動変容を促せます。



𠮟り方に悩んだら


弊社では、管理職やリーダー層など、部下・後輩を指導する立場の方を対象として、「𠮟り方」に特化した「アンガーマネジメント叱り方研修」を提供しています。


アンガーマネジメントの基礎に加え、実際の現場を想定したケーススタディやロールプレイを重視。

単なる知識にとどまらない、実践的な指導力を養います。


アンガーマネジメントを活用して、部下との信頼関係を深めながら、チームの成果を最大化させるリーダーを目指してみませんか?







まとめ


部下への上手な叱り方は、感情をコントロールし、相手の成長を願う姿勢から始まります。

パワハラと受け取られないためには、大勢の前で叱責したり人格を否定したりするNG行動を避けなければなりません。


事実に基づき、1対1の場で具体的な改善策を共に考えるプロセスを踏むことで、部下との信頼関係を維持しながら行動変容を促すことが可能です。

相手のタイプに合わせたアプローチを取り入れ、建設的な指導を実践してください。






Q&A:部下の叱り方に関するよくある質問


部下の叱り方に関して、特に多くの管理職が抱える疑問点をまとめました。

ここでは、代表的な3つの質問について、簡潔に解説します。



Q1. 叱った後に部下との関係が気まずくならないためのフォロー方法は?


叱った後は、時間を空けずに「期待しているよ」などと声をかけるのが有効です。

メールではなく、対面で感謝や期待を伝えることで、人格を否定したわけではないと伝わります。

普段通りのコミュニケーションを心がけ、孤立させない配慮が関係修復の鍵です。



Q2. どうしても感情的になってしまう場合、どうすれば冷静になれますか?


怒りのピークは6秒と言われます。

感情的になりそうな時は、その場を一旦離れたり、深呼吸をしたりして6秒間待つ「アンガーマネジメント」が有効です。


また、指導の目的は感情発散ではなく部下の成長だと再認識することも、冷静さを取り戻す助けになります。



Q3. 叱るときに「なぜ?」という質問は使わない方が良いのでしょうか?


「なぜ」は相手を問い詰める響きが強く、思考停止に陥らせるため避けた方が賢明です。

「どうすればこの状況を改善できるかな?」など、原因究明ではなく未来の行動に焦点を当てた質問に言い換えましょう。

これにより、建設的な対話が生まれやすくなります。




 
 
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