ホーム コラム こんな上司が欲しかった -グローバル編- 第5回 ストレスには免疫が必要です   - ナビゲーションメニュー


コラム

こんな上司が欲しかった -グローバル編-

第5回 ストレスには免疫が必要です

株式会社ダイバーシティ・マネジメント研究所 代表 河谷隆司

"We need immunity to stress. So we need your counseling."

ストレスには免疫が必要です。
そのためにカウンセリングが必須なのです。

(タイ・総合商社・人事副部長・女性)

企業とのコラボで筆者が行っている世界ビデオインタビュー。このコラムでは、「多文化チームのマネジメント」について世界4極の現地人リーダーに登場してもらい、世界で慕われる上司像、すなわち、"グローバル・グッドボス"のマインドと行動に迫ります。
さて今回はタイ人リーダーの声を聞きましょう。
社員が何か悪いことをしたら、即効性のある "叱る" などの "注射" が有効です。でもスタッフの葛藤状況へのストレス耐性を高めるには、日頃から "免疫" が必要なのです。それがカウンセリングなのです。
職場の労務問題には問題が起きないようにするための "予防・preventive" な意識だけでなく、"メンテナンス・maintenance" の意識が必要です。それにはカウンセリングを行うことが不可欠です。部下は上司のカウンセリングを必要としているのです。

グッドボスにはリーダーシップが必要です。リーダーは、人間心理を理解することのできる、良い精神の持ち主でなければなりません。上司のムードはチームの士気に大きく影響しますからね。しかし、赴任者の中には "気分・mood" をコントロールするスキルがまだまだ不足している人もいます。

タイ人は上司に "ヒーロー" を期待します。普通の社員とは一線を画した "良いお手本・role model" であって欲しいのです。上司が悪いことをすれば、部下もそれを真似するんです。
先日、このような人間関係論のビデオを見た海外赴任前研修の受講者は、「我々はここまで善人にならなければいけないんですか? ムカッときたら声を上げたっていいんじゃないですか?」と大きな声でコメントしました。
私は、「現地社員のことを、仕事をただやってもらうだけの相手だと思っているから、そんなことが言えるんじゃないですか? 相手を本当にコラボレーションの相手だと思い、相手と一緒に現地発のビジネスを開拓して、権限委譲を本当に進めるんだと信じていれば違った発想が出てきませんか?」と返しました。

部下に反論してはいけないとか、常に上司は仏でなくてはだめだ、という意味ではありません。この企業は現地発のコンサルティング型ビジネスへ大きく舵をとった企業だったから、現地社員との接し方のスタンスを考えて欲しかったのです。

日本と違って上位者から指示されれば仕方なく動...か(・)ない(・・)海外では、上司に信頼の貯金が溜まっていて、仕事の目的が腑に落ちなければ面従腹背で結局業務が回らないのです。
意思疎通の障害のある海外だからこそ、マネジメントの基本をきちんと実行できているかどうかが、成果を出せるかどうかの分かれ目になると私は考えています。その基本が、インタビューで彼女が訴えている「人の気持ち」を確認し合う作業ではないでしょうか。

最後にもうひとつ。デンソー(マレーシア)の日本人人事担当者は「うちの赴任者はスーパーマンでなくてはいけないのです」と言っておられます。さて、読者の判断は如何に?